2015年作品、マイケル・ムーア監督、出演。
これまでの侵略戦争の結果、アメリカ合衆国はまったく良くならなかった。 国防総省の幹部らは悩んだ挙句、政府の天敵である映画監督のマイケル・ムーアに相談する。 幹部らの切実な話を聞いたムーアは国防総省に代わって自らが “侵略者”となり、世界各国へ出撃することを提案する。 そして侵略する先々で “あるモノ” を略奪するために、空母ロナルド・レーガンに搭乗し、大西洋を越えて一路ヨーロッパを目指す・・・
はじめ見たときは、結構痛烈な皮肉を監督自身が言っているのが、なにか違和感と、不真面目な感じに見えたんですよね。
しかし数本見ていると、意外に監督ならではの鋭い視点を、うまくブラックユーモアに包んでいるんですよね。 でも言うべきことはしっかり言っている。 また突いているところは、結構きついところなんですよね。
でも一向にアメリカは病んでいる。 そして征服という名のもとに、実は教えを請いに行くというのがなんとも微笑ましい。
まず行く国がイタリア、そしてフランス、ポルトガル、フィンランド、ドイツ、ノルウェー、チュニジア、アイスランド、それぞれの国が、世界の中で誇るべきことがあるんですね。 でも翻って、各国が誇るべきことは、アメリカが今悩んでいること、やりたくてもできていないところなんですね。
この作品を見ていて、やはりアメリカべったりの国・日本を見返してしまいますね。 開国以後富国強兵で、欧米国家に追いつけ追い越せできた日本が、第2次大戦で敗戦した後、アメリカの属国化をしてしまった今、アメリカの鏡のような部分が多いと思うんですよね。
ここに出てくるヨーロッパの国や、チュニジアなどは、福祉、教育、法治が優れている部分があります。 しかしどこかで見たことのある部分があることに気がつきます。監督が気がつくと同時に、私たちもそうなるところがあるんですよね。
じゃあ、それがどこと同じなのか? それは映画の中で触れていますね。
ただ、わが国と比べてどうなのか? 大きく異なっているところもありますが、近しいところもあります。 そしてできそうなところも、無理なところも。
ただ共通しているのは、国として、努力をしているところですね。 民間でなく、団体でなく、国としての努力を必死にしているところでした。
どの国も、国家として必死に努力しているんですね。 私が見ていて一番心にとどまったのは、やはり教育ですね。
これが国の根本だとやっぱり感じました。