彼は不思議な夢を見る。 その夢とは “響子のもとに一枚のはがきが届き、そこには壁男の噂について書かれていた。 住所は書かれているが、差出人の名前はない。 そのはがきをまじまじ見ている響子の後ろの壁から腕が伸びてきて、響子に襲い掛かる” というものだった。
TV局の情報バラエティ番組でレポーターを務める響子の元に、実際に “壁男” に関する匿名の投書が届く。 さっそくレポーターとして現地に行くと、それを見たという男・池田志郎（水戸ひねき）に、その壁の中に潜んでいるという壁男に関する取材をする。 番組で紹介すると予想以上の反響があり、壁男の噂は瞬く間に全国に広がる。
そして、仁科は壁男に異常な興味を示し、壁の写真ばかりを撮り続けるようになる。いままで普通の仕事をしていた仁科が、突然の変わりように心配する響子だが、響子の不安をよそに、仁科は次第に壁男と人間世界の関係に思いを巡らせ、壁男と交信することを考え始める。
仁科の行動と、壁男の噂がエスカレートしていくにつれ、響子の周辺の人々を巻き込んだ怪現象が次々と起こり始める。 しかしそれは、決定的なある事件の発端にすぎなかった…
この原作は、コミックスで、諸星大二郎作です。 私は彼の大ファンで、大体作品は読んでいますが、なかなか映像化にできない作品が多いように感じます。
以前深夜ドラマで 「栞と紙魚子の怪奇事件簿」 というドラマを、南沢奈央主演でやっていましたが、期待したわりにはやはり世界観を描き切れないで変な結末で終わってしまいました。 ただ、当時は全く知らなかった、前田敦子を初めて見たある意味貴重な作品ではありましたが（＾＾）
今作の監督は、早川渉。 映画作品としては初監督のようです。 作品参加として、指導監督の立場で一作あるんですが、この作品は北海道を舞台としており、その関係で地元の彼が撮ることになったんでしょうか？ 地方発の作品と言われております。
ただ、設定だけは原作者からもらったんでしょうが、お話はオリジナルに近く監督の脚本であるので、ほぼ別物に見えましたね。
残念なのは、決定的なところを夢オチに見えてしまうところですね。 そこは逃げないで、作りこんだ方が良かった。
原作ファンとしては多少がっかりな作品でした。
付き合っている二人
壁男の取材をした響子
そして仁科は壁男との交信を試みる
そして彼が変化をしていく
