anttiorbの映画、映像の世界

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2000年作品、阪本順治監督、藤山直美主演。

1995年1月。 幼い頃から家に引きこもっている正子(藤山直美)は、母親(渡辺美佐子)が営むクリーニング店の二階で洋服のかけはぎの仕事をしながらひっそりと暮らしていた。
ホステスをしていた妹の由香里(牧瀬理穂)がたびたび帰ってくるが、彼女は母には自分の服のクリーニングを、姉には繕いをお願いしに来る。 しかし心の底では姉の事をさげすんでいるゆかりの態度に、正子はそのお願いを受けようとしない。 引きこもっている状態の正子はゆかりに馬鹿にされると、プイと飛び出し、列車に乗ってどこかに行ってしまう。
その日は靴も履かずにスリッパで飛び出したが、着いた先は雪が積もった場所で、そこで見知らぬ男(佐藤浩市)に「冷たくないのか」と声をかけられる。
ところが、そんな彼女の生活が母親の急死で一変する。 通夜の晩、由香里が自宅のお通夜を仕切っていた。 正子はずっと2階に引きこもっていた。仲の悪かった妹・由香里はそんな正子の態度に腹を立て、終わったころに2階から降りてきた正子に悪態をつく。 由香里はすぐに2階に上がって行ってしまった姉を追いかけて2階に上がる。 しかしその日は正子が由香里に反撃をしたのだった。
妹をはずみで殺害、香典袋を手に、35年間閉じこもっていた家を飛び出した正子。 しかし行くあてもない正子は、近くの誰もいない場所にいた時、突然の大地震が起こった。 阪神・淡路大震災だった。
「罰が当たったんや」と叫ぶ正子。 しかしこれが正子に対して、殺人事件の捜査を遅らせることになる。 彼女は当てもなく、まず向かった先は、離れて暮らす父親の行方を探すことだった。
交番に行っても、この震災で出払っていて誰もいない、そこで自分は妹を殺したと彼女が自首をしようとした瞬間だが、誰も聞いていない。 しかしたまたま会った男・山本俊郎(中村勘九郎)にレイプされてしまう。 何か吹っ切れた彼女は、香典袋をそこで山本にくれてやるが、今度は山本の方が気味悪がって受け取らない。
そして彼女は西に向かう列車に飛び乗り、やがて別府へ流れ着く。 正子は今は誰もいない空き店舗のシャッターをこじ開け、そこで首をつろうとした。 しかし縄を縛った天井が落ち、恐くなった正子は大声で助けてと叫ぶ。
そこに駆けつけてくれたのが、親切な中年女性・律子(大楠道代)だった。彼女に拾われた彼女は、律子の店でホステスとして働くことになるが、その仕事はそれまで内向的だった彼女の内面を変えていくのだった・・・

これは見たかった作品、前にDVDを買ってあったのをコロッと忘れていて、また買おうとした矢先に気が付きました(^^)
主演は藤山直美、もちろん大喜劇人・藤山寛美の娘さんですね。 親譲りの芸達者、もちろんお笑いのセンスは抜群なんですが、私はそれ以上に女優としての彼女をもっと見たいと思っています。
監督は阪本順治、結構撮っている監督ですし、いろいろ観ていますが、その中で好きな作品は「大鹿村騒動記」http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/5512532.html ですかね? もちろん他作品も結構それぞれ味がありますが。
今作は、私はてっきり、今は亡くなった時効寸前につかまった福田和子がモデルだと思っていました。 しかしこれは喜劇のようでもあり、サスペンスのようでもあり、何でもできる藤山直美のようにどんな見方もできる作品でした。
物語は、ホステスをやって人生が変わった正子はこの後人生をやり直す寸前まで行くんですね。 でも、そこに起きたヤクザの抗争、その犠牲になったのが恩人の律子の弟でした。 警察に通報できない正子、そして店に警察が来たとき、とうとう正子の素性がばれてしまうんですね。妹殺しの殺人事件も、さすがに顔写真が出回り、警察もチェックし始めていたからでした。
さらにここも離れ逃亡していく正子、何かラストは彼女の希望を叶えたエンディングでしたね。 ただ逮捕で終わらない、ちょっとした味付けのできたラストでした。

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震災の混乱で逃亡する正子

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死のうとした矢先ここのママに救われる

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ここで自分の居場所を感じる

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しかしさらに逃亡

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しかしここにも

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