anttiorbの映画、映像の世界

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追憶の森


アメリカ人のアーサー(マシュー・マコノヒー)は空港に来ていた。 荷物をまったく持たない彼、無精ひげを生やし、行き先は?ときかれそっけなく 「TOKYO」 と一言だった。 そして帰りの便の予約はしない。
到着後すぐに新幹線に乗り換え、向かった先は富士山だった。 富士山の北西に広がる青木ヶ原樹海に入っていくアーサー。 途中までは歩道があるが、ところどころに警告の看板が出ている。 その看板は自殺を踏みとどまるよう警告をしていて、日本語以外の言葉でも書かれていた。
しかしアーサーは立ち入り禁止の鎖も超えてどんどん樹海に入っていくのだった。
木々が生い茂る森の中を分け入っていくと、傷だらけの男が歩いていた。 しかし彼は何とかここから出ようとしているらしかった。 自分が通ってきた道を示しここを行けば道に出られると、何とか彼を向かわせたアーサー。
そして一息つける大きな石の上で、彼はある袋を取り出し、そしてペットボトルと薬を取り出し、何錠か飲んだとき、さっきの男がまた現れた。 また迷ってしまったらしく、今度はアーサーもついて行き道まで案内することになったが、しかし道路に通じるはずの道は途中でなくなっていた。 二人は迷ってしまうのだった。
タクミ(渡辺謙)と名乗った男は、ここに入って来てまる2日たってしまったといい、腕には手首を切った後があった。 しかししに切れず、家族の元に帰りたいと言い、そんなタクミのことを何とか助けてやろうという気になったアーサーだった。
しかしそんな彼もここにきたのは死ぬためだった。 しかしタクミを救いたいという気持ちがわいてきたアーサーは、必死に出口を求め森を歩き始めるのだったが。
しかしアーサーはどうしてここを死に場所にして自殺をしに来たのか? それは妻を亡くしてしまった喪失感からだった・・・

ガス・ヴァン・サント作品は、「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13646143.html 「永遠の僕たち」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13278453.html の2作品を見ていますが、透明感のある作品というイメージがあります。
近作も “樹海” “自殺”というテーマなんですが、この作品もみずみずしい仕上がりを見せていました。
主演はマシュー・マコノヒー、そして樹海にいた謎の日本人には渡辺謙が出演しています。
物語は樹海での二人の脱出劇になっていくんですが、磁石の利かない中、必死に出口を求めてさまよう二人。 夜は極端な寒さが、そして途中怪我をしてしまうアーサー、そしてどんどん衰弱していくタクミ。
そして彼を生かそうとしていく中で、アーサーは妻とのいろんな思い出が頭に浮かんでくるんですね。 妻の突然の病気、手術、決してうまく行っていなかった妻との関係でしたが、病気を通じてもう一度絆を取り戻していくというのは、よくわかる気がします。
富士の樹海は、自殺の名所? といわれていますが、どうやら日本人だけでなく、海外からもここを死に場所として来日する人間が多いのは初めて知りました。 タクミという日本人、なぜか英語がペラペラなんですね。 つくりの甘さなのか? と思っていましたが、これはわざとそうしているんでしょう。
暗い展開のお話ですが、実は結構すがすがしい人生の再生譚に私は見れましたね。 しかし奥さんをあういう形で失えば、とてつもない衝撃でしょうね。
アーサーの気持ちは痛いほどわかります。

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東京に来たアーサー

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そして樹海に入ったとき

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ある日本人と遭う

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彼のために出口を探すが、迷って夜になってしまう

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アーサーの亡き妻、思い出がよみがえってくる

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