anttiorbの映画、映像の世界

不定期で、旅ブログも立ち上げます!

殺されたミンジュ

2014年作品、キム・ギドク監督、マ・ドンソク主演。

とある5月。 ソウル市内の市場のなか、女子高生ミンジュは、彼女を追う屈強な男たちから必死に逃げ惑っていた。 しかし次第にミンジュは追い詰められ、路地の片隅で顔にテープを巻かれ、叫ぶ間もなく無残に殺される。
その事件は新聞にも載らず、誰にも知られることもなく闇に葬り去られた。
1年後、ミンジュ殺害にかかわった7人のうちの1人(キム・ヨンミン)は、恋人と食事をしていた。 ワインをうっかり零されそうになり、恋人にかかりそうになるが、事なきを得る。
恋人と別れた男は、そこに現れた武装した二人の男に拉致される。 誘拐した集団は、男に拷問を加え、事件の日のことを執拗に問いただす。 恐怖と自責の念に襲われた容疑者は全面的に自白し、許しを請う。 そして5月8日にあったことを書面に書かされ、ちょっとでも事実と違うことを書くと容赦なく、釘付きの棒で痛めつけられる。 最後に自分の血で血判を押さされ、やっと解放される。
その時の集団は、顔を黒く塗り、中には女も交じっていた。 反共の集団のようだった。
次の男は、妻と食事をしていた。 しかし男は食欲が無く、思い悩んでいるようだった。 具合が悪いようで、男は妻を残し先に帰ると言い出すほどだった。 しかしこの男も拉致された。
同じように拷問を受け、同じように自白を強いられ、それを書面に残される。 しかし男は初めから罪を感じていた。 そして男は家に電話をして、妻と子供に別れを言い、拳銃自殺をしてしまう。
リーダーの男(マ・ドンソク)のほか、その集団は6人のようだった。 女性も一人混じっているが、どうやら一般の生活をしている6人のようだが、リーダーの男のもと、昨年のミンジュ殺害事件の犯人たちを狙っているようだった。
いったい何のためなのか?復讐、それとも?…

キム・ギドク監督作品は、徐々に見て行こうと思っていましたが、ようやく日本公開になった、今作を見てきました。 都内だったのでちょっと大変でしたが(^^)
物語はいきなりの女子高校生殺害から始まります。 数人の男に取り押さえられ、黒いビニールテープで顔をぐるぐる巻きにされ、あっという間に窒息死させられるんですね。 そしてそれを指示している男たちが映るんです。
そして約1年後のある日から、一人一人犯人たちが狙われていきます。しかしどうもこの集団がおかしいんですね。 わざとらしい変装、それもいろんな姿に変装して行くんですね。 そして徐々に犯人たちのプライベートが描かれていきます。
今作は、ある男の復讐劇が核となっている感じですが、そこに人生から脱落した人間たちが集ってきているお話なんですね。
韓国社会というのは、歴代大統領が、辞任後逮捕されることの多い国ですね。 日本も無くはないですが、その比ではありません。 中には自ら逮捕されることを拒み、自殺した元大統領もいましたね。
汚職、陰謀、暗殺、韓国のそういうダークな面というのは、日本以上に巣食っているんでしょうかね。 一人の男の復讐劇に、社会に対する不満を重ねて集ってくる人間たち、ここに参加してくる人間以外にも、そんな鬱屈した人間が多いということが描かれているような作品でした。

イメージ 1
女子高校生ミンジュ

イメージ 2
男たちに追いかけられ殺される

イメージ 3
そして実行犯たちが拉致され

イメージ 4
自白、記録を残させられる

イメージ 5
その中の一人は自責の念で自殺をする

イメージ 6