2014年作品、白石晃士監督、ヨン・ジェウク、キム・コッビ出演。
ジャーナリストのソヨン(キム・コッビ)はある場所に向かっていた。 同行しているカメラマンの田代(白石晃士)から、何度も危険だが大丈夫かと念を押されている。
彼女は、障害者施設を脱走し、18人もの人間を殺害した容疑がかけられ、指名手配されたパク・サンジュン(ヨン・ジェウク)から取材依頼を受け、知人のカメラマン・田代と共に、とある廃マンションの一室に呼び出されていたのだった。 ソヨンと、サンジュンは幼馴染み、でも久しぶりに会う彼は、連続殺人犯、二人は用心をしながら廃マンションに足を踏み入れる。
マンションに到着したソヨンと田代だが、包丁を手にしたサンジュンに脅され、 「これから起こる事」 を全て記録するよう命じられる。
すぐに彼の状態が普通ではないと気付いた二人だが、アパートに2人を閉じ込めたサンジュンは、「(明らかになっていない7名を加えた)25人を殺した」と告白する。
そしてそこに置いてあったテレビで、ある動画を見せるのだった。 それは二人の共通の幼馴染み・ユンジンが映っている動画だった。 しかしその動画はユンジンが猛スピードで現れた車に轢かれて、命を落とした動画だった。 二人にとっては忘れたい、痛ましい事故だった。
ソヨンは、これはもう過去の事として、振り返ってはいけないことだと言うと、サンジュンは、 「俺には過去ではない!」 と叫び、包丁を振り回して威嚇するのだった。
そして彼は謎のことを言う 「27歳になった時、27人を殺せば、10歳の頃に事故で亡くなった幼馴染のユンジンと、自分が殺した人も全員生き返るという『神様の声』を聞いた」と。
続けて 「今から起こる『奇跡』をドキュメンタリー映画にして、自分のやる事が正しいと証明する」 と言うのだった。 田代はそのために連れてこられたのだが、どうして日本人カメラマンなのか?
それは 「今からこの部屋に日本人のカップルが来る。 その2人には首に痣があり、彼らから愛の力をもらって殺せばユンジンは生き返る」 と、荒唐無稽な説明をし始める。
彼の言う事を精神の病による妄言だとして説得するソヨンだったが、予言めいた不可思議な電話を受け、続いて予告した時間通りに日本人カップルがマンションへと現れるのだった・・・
白石監督作品は、監督の情報をしっかりとって行かないと、けっこう見落とししてしまうんですが、この作品も、上映こそ各所で限定だったんですが、後追いで追っかけた作品でした。
公開順では、「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!史上最恐の劇場版」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13287349.html と、「殺人ワークショップ」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13359411.html の間に公開されました。
前後の作品とお話がつながっているわけではありませんが、白石監督演じる田代カメラマンが出ていること、オチが、 「オカルト」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/9304042.html と似ているので、やはり白石ワールド全開の匂いがします。
また全編、ノーカットのワンカット撮りという、大変大胆な作品ですね。 韓国ロケというちょっと予算も奮発した作品であったのでは?
物語は、廃マンションを目指す韓国人ジャーナリスト・ソヨンと、日本人カメラマン・田代のシーンから始まります。 どうして二人の組み合わせなのか? それはある男から指定されたからなんですね。
田代は韓国語も理解でき、ソヨンは日本語を理解できる。 その意味ではあまり二人いる意味がないんですが、これはある予言からこの組み合わせになっています。
また二人は幼馴染み、しかし共通の幼馴染みを10歳のとき事故で亡くしていて、そのことを引きずっていたソンジュンが、彼しか聞こえない声を聴いてから、彼の人生が変わってしまうんですね。 彼はその声を“神の声”と称してその声の通りに従っていくんです。
でもその声はとんでもないことを言いはじめます。 “27人を殺す” しかしこれを行った時、ある奇跡が起きるというのです。
本当に奇跡が起きるのか? 誰しも信じられないことですが、不思議な符号がどんどん繋がっていく中、修羅場の中に共通理解が芽生えてくるんですね。 ある意味愛の物語でもあります。
白石監督独特の、グロさ全開な作品ですが、意外なハッピーエンド?、ファン必見の作品ですね(^^)