anttiorbの映画、映像の世界

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サカサマのパテマ

2013年作品、吉浦康裕監督、声の出演:藤井ゆきよ

地下民族の長の娘パテマ(藤井ゆきよ)は、明るく天真爛漫な性格で、混乱すると激情に駆られる。 いつも仲間と一緒に未知の場所に行っては、こっそり帰って来ていた。
今日も窓からそーっと侵入してきたが、待ち構えていたのは、ポルタ(大畑伸太郎)とジイ(ふくまつ進紗)だった。 彼女の行動はお見通しで、長の娘としてもっとお淑やかな行動を求めているのだが、全く聞く耳を持たないパテマだった。
しかし、未知の世界への好奇心と行方不明の探検家・ラゴス加藤将之を探している途中、ひょんなことからアイガに落ちてしまうのだった。
学校内で孤立気味の中等部2年生エイジ(岡本信彦)は、管理されたアイガ社会では珍しく教師にも反抗的な態度を示す不良っぽさのある少年だ。 “かつて多くの罪びとが空に落ちた” と空を見上げることを忌み嫌うこの世界の慣習にも従わず、時折、学生寮を抜け出しては一人 “空” を見上げている。
今日も夜金網のところで一人でいると、金網にさかさまにしがみついている少女がいた。 まるで空に落ちていくような感じだった。 このままだと空に舞い上がってしまう(落ちる)と叫ぶ少女を、エイジは彼女を抱え込むがその時、ふっと空に浮きあがりそうになった。 不思議な感覚だった。
な んとか倉庫まで連れて行き、とりあえずパテマをそこに入れると、エイジは学校に行くと言い、必ず戻るからと言ってパテマをなだめ、学校に行ってしまう。
しかし学校に向かうエイジの顔は一変、死んだような表情に変わってしまうのだった。
落下する恐怖に慄くパテマと、想像を超える体験に驚愕するエイジ。 この奇妙な出会いは、封じられた<真逆の世界>の謎を解く禁断の事件であった。…

劇場予告篇で見たかったアニメーション作品、数々の賞を国内外で受けたそうですね。
原作・脚本・監督は吉浦康裕、私は彼の作品を見るのは初めてですが、鋭い発想力、興味を引く題材を映像化しているようですね。 「イヴの時間」 はぜひ見たいですね。
今作は、地下に住むパ テマと、地上に住むセイジの交流を描いた物語ですが、地下民族と、人間はどうやら敵対しているらしいですね。 しかしそれ以上に決定的な違いが。
どういう原理かわかりませんが、二つの “種族” は重力方向が全く違うんですね。地下民族は空に落ちて行ってしまう。 手を放すと大空に向かって飛んで行ってしまうんですね。
ですからセイジに助けられたパテマは、家の中の天井を足場にしていないと。
パテマは地下民族の長の娘、養女という事らしいですが、彼女にはあこがれの存在がいたんですね。 冒険家のラゴスという男でした。 彼の影響で、自分たちの住んでいる以外の世界に興味を持ったパテマ、そして彼女は穴から落ちてその正解に入りこんでしまいます。
一方セイジは、管理されつくした世界に飽きたらず、空を見上げて孤独に浸る少年。学校の時と、それ以外、特にパテマと知り合った後の表情の差は凄いですね。 しかしそれは、彼の父の一件があるからでした。
重力をいじってエネルギー源にする。 UFOの推進原理はこれだと言われていますが、もしかしたら人間の犯してはならない領域なのかもしれません。
予想される結末ですが、二つの民族は同じ環境に戻れないんでしょうか? 何か無性にそう感じた作品でした。

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不思議な出会いのふたり

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彼女は地下帝国の長の娘

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セイジは二つの世界に疑問を持つ

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そして彼女を捕獲しようと

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地下の人たちと接触するセイジ

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二人の運命は?

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