2006年作品、シルヴェスター・スタローン監督、主演。
元ボクシング界のスター、ロッキー・バルボア(シルヴェスター・スタローン)は、妻エイドリアンに先立たれ、地元フィラデルフィアでイタリアン・レストランを経営しながら静かな日々を送っていた。 エイドリアンが死んだのは3年前、癌だった。
命日の今日は、義兄のポーリー(バート・ヤング)と彼女の墓に墓参りに行くのだったが、息子のロバート(マイロ・ヴィンティミリア)は姿を現さなかった。 ロバートは有名人である父に引け目を感じて家を飛び出しており、ロッキーは孤独を感じていた。
今の世界ヘヴィー級チャンピオンのディクソン(アントニオ・ターヴァー)はあまりの強さで、挑戦者たちをあっさりと倒してしまう。 ライバル不在で、名勝負を作り出せなく、王者としては不人気だった。 絶対王者なのだが、存在感を得るためのドラマが成り立たない王者だった。
そんなある時、ロッキーは昔、少し世話をしたことのあるシングルマザーのマリー(ジェラルディン・ヒューズ)に出会う。 たまたま入った昔よく行ったバーだったが、そこで彼女は働いていた。
彼女が若いころ、たばこを吸っていたことを注意したことがあったマリーだったが、いまは夫と別れ、一人息子と暮らしている。 彼女とその息子ステップス(ジェームズ・フランシス・ケリー三世)との交流をきっかけに、心に火が灯り始めたロッキーだった。
ロバートは、会社でも父のためいつもからかわれていた。 有名人の父の話がいつも出てくる。 そしていつもの仲間と飲んでいるとき、テレビである企画をやっていた。 それは、シュミレーションでディクソンと、ロッキーが戦うということだった。 お互いのデータを入れ、CGによる二人が仮想対決をするという物で、大方の予想を覆し、ロッキーがディクソンに勝ってしまった。
いまだにロッキーはアメリカ人のヒーローであり、人々の記憶に強く残っているボクサーだった。 そしてそれを見ていた視聴者は夢の対決に期待をついしてしまうのだった。
しかし、ロッキーがたまたま目を留めた次の週の番組では、別の評論家が「ロッキーはすでに過去の人間であり過大評価されているだけだ」と試合結果に対して痛烈な批判を浴びせていた。 それを見たロッキーは、自分の中にボクサーとしての情熱が蘇ってくるのを感じていた。
そしてロッキーは、熱い思いをエイドリアンの兄で親友のポーリー(バート・ヤング)に告白し、プロ・ボクサーのライセンスを再申請する。 もう心にストップをかける事が出来なくなっていたのだった…
ある意味エピローグ的な作品ですね。 おそらくこの作品を当時どうして作るのか? いまだにロッキーなのか? そう思われてもおかしくないタイミング、シリーズ終焉作だと思いました。 そのため劇場には行っていませんし、初めて見ました。
しかし今作は、ロッキーをリアルタイムで知らない人、ファン、映画好きに、ロッキーとはなんだったのか?を問う作品かもしれませんね。
ショッキングな設定は、最愛のエイドリアンが他界していることでしょう。タリア・シャイアは健在なのにどうして? 実際彼女は出演を熱望していたそうですが、スタローンが頑としてうけいれなかったという逸話があります。
私も別れのシーン、亡くなるシーンがあっても良かったのでは? 何か契約上の問題があったのか? と、うがった見方をしてしまいました。
でも一切映さないことで、逆にこの作品が締まっているんですね。 リアルなんですよ。 エイドリアンは、家族の、ロッキーの心の中にしかもう存在しない、だからこその降板だという事が、試写を見た彼女が感じたでしょう。
でも、そのままではただのレストランの親父ですよね(^^) そこにもう一人、本物の元世界チャンピオン起用で、スタローンは、ロッキーは最後の人生の挑戦をするんですね。
惜しむらくは、前作に引き続いて、セイジを出演させていたら。 いろんな悪条件で見送りになったそうですが、運命とは皮肉な物ですね…
これで新作に繋がっていきます。
かつて不良少女だったマリーと再会
父の存在を持て余すロバート
ロッキーはもう一度立ち上がろうとする
絶対不利で試合に挑むロッキー
予想に反して壮絶な戦いになる