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ロッキー5/最後のドラマ

1990年作品、ジョン・G・アヴィルドセン監督、シルヴェスター・スタローン主演。

強敵ドラゴを倒しソ連から凱旋したロッキー。 しかし空港には早くも彼にも羅がってくる輩がいた。 突如現れた派手な黒人プロモーター、ジョージ・ワシントン・デューク(リチャード・ガント)は黒人ボクサーのユニオン・ケイン(マイケル・ウィリアムズ)との対戦のためにロッキー挑戦をしてくるが、帰国したばかりの彼は即答を避けるのだった。
そんな彼を連戦の結果による脳障害が襲う。 エイドリアンも心配をしていて、医者の忠告により引退を決意したロッキーだが、義兄のポーリー(バート・ヤング)の口添えによる会計士の不正により思わぬ破産にまで追い込まれてしまう。
白紙委任状を渡した会計士が、投資をしたものが急落して借金を作り、さらに払っていたはずの家のローンも未払いだった。 家の物はすべて競売にかけ、なんとか借金を減らそうとするロッキー一家、さびそうな息子・ロバート(セイジ・スタローン)を慰めるロッキーだが、ロバートは父と自分、母エイドリアン(タリア・シャイア)はチームだ、チームがあれば何とかなる、その言葉に元気が出るのだった。
生まれ故郷のフィラディ ルフィアに戻った彼を慰めるものといったら、妻のエイドリアンや息子との生活だけだった。 そして彼の手元に残ったのは、今は亡きミッキーが残したジムだけだった。
そこにさらにデュークが現れる。 復帰してケインと試合をすれば借金なんてすぐに払える。 しかし選手を物として見ている彼の本性をロッキーはどうしても嫌いだった。
そんなある日、そのジムでトレーナーとして働くロッキーのもとに若いボクサー、トミー・ガン(トミー・モリソン)が訪ねてくる。 彼に昔の自分の姿を見たロッキーはそこに第2の人生を賭けてみようと決意、ジムを整備し、再び活気あるジムにし、2人は厳しいトレーニングを開始する。
自分が今までミッキーから教え込まれたことを、この若いボクサーに叩き込むため、 家族同然、いやそれ以上の愛情を注ぐロッキー、しかしその愛情は息子よりもトミーに注がれていく。 そんな雰囲気を微妙に感じ取っているロバートの姿があった。
そしてトミーは勝ち進んでいくのだった…

事実上この作品で、シリーズは終わった感じがしたこの「5」ですが、実はこの作品は、スタローンからしてみたら、もろに自分の人生を投影している作品なんでしょう。
実の息子、セイジ・スタローンを息子役で起用しているんですね。 ご存知の方もいるでしょうが、このセイジは2012年に亡くなっているんですね。 1人目の妻サーシャ・チャックとの間の息子で、36歳でした。
実は彼は映画を撮ろうとしていたそうなんですね。 短編を撮った矢先、あまりにも突然の死だったでしょうね。 それを踏まえて、今作、そして次作、最新作を見ていくと、おそらく、やっぱり、このシリーズは、スタローンの人生そのものだと思えちゃうんです。
物語は、頂点から一気に転落したロッキー、それはボクシングではなく、実生活での躓きでした。 それもその原因を作ったのは、エイドリアンの兄・ポーリーでした。
ちょっと見ていると、また言い方を悪くすると、寄生虫のようなポーリー、本人も所々、すねたり、毒づいたり、素直になれないジレンマを抱えていて、でも昔はロッキーのために一肌脱いだりもしていたという、なんとも言えない立場ですよね。
そしてロッキーも、大事なエイドリアンの兄で、二人を引き合わせた恩人でもあることから、家族の一員として決して捨てない存在なんですね。 ある意味凄い忍耐力です、私ならここでおさらばですが。
そしてロッキーはたった一つ残されたミッキーのジムから、再び生きる伊吹を上げます。 しかしそこには息子が視界から消えていくんですね。
今作は初めて見たんですが、これは強烈な印象を受けました。 ドラマとしても世間からは批判をされていますが、優れた作品だと思いましたが。

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たった一つ残ったミッキーのジムで

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トミーを鍛え始める

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そして勝ち始める

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切れかけた息子との絆を取り戻すが

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しかしまた一人になるロッキー

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