広能組・打本会の連合と山守組との広島抗争は、警察による組長クラスの一斉検挙、いわゆる「頂上作戦」によって終息に向かう。 打本会は解散し、広能組長・広能昌三(菅原文太)は網走刑務所に収監された。
一方、山守組側では逮捕されるも未決保釈となった最高幹部・武田明(小林旭)が広島に散在するやくざ組織に大同団結を呼びかけ、市民社会からの厳しい視線をかわすため政治結社「天政会」として統一組織を立ち上げた。 彼らは警察の目を欺くために山守義雄を会長に、傘下の武田組、江田組、早川組(元打本会)、大友紙、呉の槙原組、さらに徳山、福山など近郊都市の組織までも大同団結させた。
41年4月3日、天政会にすっかり抑えられていた呉の市岡組々長・市岡輝吉(広能昌三の兄弟分)は、天政会の混乱に乗じ、天政会参与・杉田佐吉を襲撃し射殺した。 この事件で不穏な動きを察知した県警は、天政会壊滅のため、武田以下首脳を順次検挙する方針を打ち立てた。
保釈の身であった武田は、再逮捕される前に先手を打ち、腹心の若頭・松村保(北大路欣也)を三代目候補に推薦した。 しかしこれが副会長の大友との火種に発展していくのだった…
確かにこっちの方が色合いが変わった感じがしましたが、時間がたっていることと言う点から、ある程度キャスト変更の影響は緩和されている感じもしますが。
前作で、各組織のトップが警察に一斉逮捕され、主人公の広能がここで収監され、全く一時表に出てこなくなり、網走で執筆活動という地味な展開になっています。
でも中身は全く一緒、だから構成員に対してなかなか彼の考えが行き届かないというジレンマがくすぶっています。 そして、また北大路欣也が別の役で再登場します。 松村保という役で、次世代の組織の中核を担ったという設定でしたね。
彼の登場によって、ようやく今までの幹部連中の時代が終わり、新しい世代のやくざ組織ができていくという物語になっています。
このシリーズは、今なら考えられないほどのスピードで製作されているんですね。
1作目の公開が、1973年1月、2作目が4月、3作目が9月、4作目が翌1974年1月、そしてこの完結品が6月という1年半で5作が公開という異例のスピードでした。
まあ映画全盛時代と言っても良いころかもしれませんから、こういうのは結構ザラかもしれませんね。
今の映画製作のスピードとは違うし、撮り方も、いろいろな制約も緩かったでしょうから、イケイケの時代でしたね。 まあ日本自体も活気のある時代で、映画業界も同じように元気あふれる時代を感じさせます。
独特なタッチの静止画、この手法は、私はやっている「龍が如く」というゲームシリーズに結構取り入れられているんですね。
40年前の息吹を精一杯吸った気分になりました。