anttiorbの映画、映像の世界

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ほとりの朔子

2014年作品、深田晃司監督、二階堂ふみ主演。

大学受験に失敗した朔子(二階堂ふみ)は、現実逃避の日々を送っていた。ある日、叔母・海希江(鶴田真由)に誘われ、もうひとりの伯母・水帆(渡辺真起子)が旅行で留守にする家で、夏の終わりの2週間を過ごすことになる。
水帆はパスポートを失くして探していた。それを見つけてくれたのは、近くに住む彼女たちの幼馴染の兎吉(古舘寛治)だった。 彼女を送って行ってくれるのだった。
海辺に散歩に行くと兎吉の娘の辰子(杉野希妃)が声をかけてきた。 この近くでバイトをしていると言う。 朔子の母は、再婚で海希江と水帆と姉妹になったのだった。
彼女が庭にいると近くに住む敏江(松田弘子)が訪ねてきた。 上り込んで、パリに行ったときの話をする彼女、そして絵を描いている彼女は今日はある花を書いたと言って見せてくれる。 それを見て海希江はそれがどこに咲いていたか教えてほしいと言い出す。 今翻訳しているインドネシアの小説にその花の事が書かれているからだった。
翌日二人はその場所に行こうとすると、兎吉と彼の甥の孝史(太賀)に会い、その場所まで自転車に乗っけてくれる。止まっていた朔子の歯車がまた動きだしていく予感のする出会いの数々だった・・・

二階堂ふみの単独の主役は、この作品が初めて見たいですね。 「ヒミズhttp://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/7400684.html では染谷君とのダブル主役でしたからね。
今回の彼女の役は、大学受験に失敗し、浪人生活を送っている女の子の役でした。 いままでなんとなく大学に行って、という感じで生活をしてきた女の子が、初めて味わった挫折? そして、親からのプレッシャーを持て余し、義妹の海希江と夏に実家に留守番という名目で逃げてきたと言う話でした。
そこで出会った、現地の人たち、みんな気さくで優しい感じなんですが、だんだん接していくと、裏の顔だったり、心の内が見えてきますし、その中で、彼女も自分の生きていく方向が何となく見えてくるのでは? というお話に感じました。
決定的で、劇的な展開にはあえてせず、そういうシーンは極力わざと描かない手法で、そこはおそらくこうなっているだろうと想像してくださいと言う撮り方をしています。
監督の深田晃司の作品は初めて見ました。 こういうタッチの監督なんでしょうか? 複数作品を見てからどういう作風なのかは判断したいですが、役者の自然の姿をよく引き出している感じがして、私はこういう感じは嫌いではないですし、ふみちゃんの冒頭からの自然な感じは大変好感を持てました。
啖呵を切ったり、大立ち周りもできる女優さんですが、こういう静かな受け身の役もたまにはいいのではないでしょうか。
透明感漂う中、今の日本の姿をちょっと入れる粋な演出の作品でした。

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叔母・海希江と避暑に

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彼女は受験に失敗をしていた

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叔母たちの幼馴染の兎吉と

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兎吉の甥の孝史と

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彼女の心がほぐれていくが

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