彼女は自分のことを 「あたい」 と呼び、作家はその姿をスケッチしている。 それは挿絵となり、結構報酬となるのだった。 それを聞いた赤い少女は、「あたいにも分け前をくれ」 と言って小遣いをもらい、ウナギを食べに行くと言って出て行こうとする。
「愚連隊が多いから気を付けて」 そういう作家だったが。 お出かけには水筒は欠かせず、赤い水筒には「犀」の字が刺繍されているのだった。 彼の挿絵には、大きな金魚が描かれていった。
金魚は3年前に、金魚売りの男から300円で買ったもので、普段は庭にある池に放しているが 、家の中に金魚鉢があるのだった。 病気の妻は1階の奥の部屋で19年間も寝たきり。
そんな寂しい老作家の願いが叶ったのか、ある時から金魚は時々人間の姿を取るようになったのだった。 人間の歳の頃でいえば17歳くらい。 人間になった金魚は赤い洋装で、金魚が人間になれるのを知っているのは、老作家と、「3歳っこ」 と呼ぶ金魚売りの男(永瀬正敏)だけのようだった。
老作家は出かける金魚に 「5時までには帰っておいで」 と注意した。 昼のあかりの筋と夕方のあかりの筋で迷いそうになるのが5時だから。 老境の作家と暮らす愛くるしい魅力が詰まった少女は赤井赤子と名付けられる。
金魚は3年前に、金魚売りの男から300円で買ったもので、普段は庭にある池に放しているが 、家の中に金魚鉢があるのだった。 病気の妻は1階の奥の部屋で19年間も寝たきり。
そんな寂しい老作家の願いが叶ったのか、ある時から金魚は時々人間の姿を取るようになったのだった。 人間の歳の頃でいえば17歳くらい。 人間になった金魚は赤い洋装で、金魚が人間になれるのを知っているのは、老作家と、「3歳っこ」 と呼ぶ金魚売りの男(永瀬正敏)だけのようだった。
老作家は出かける金魚に 「5時までには帰っておいで」 と注意した。 昼のあかりの筋と夕方のあかりの筋で迷いそうになるのが5時だから。 老境の作家と暮らす愛くるしい魅力が詰まった少女は赤井赤子と名付けられる。
そしてその日、やはり愚連隊=野良猫に襲われ、尾のところが少し避けてしまった赤子だった…
昭和の文豪・室生犀星が、理想の女性をつづったとされる金魚の姿を持つ少女と老作家の物語です。 監督は石井岳龍、私が記事した作品は、「逆噴射家族」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/8032515.html “石井聰亙”の名前で、作品を撮っているようでしたが。
とにかく変な格好で、人間離れした少女の雰囲気に、始めから違和感がある出だしなんですが、挿絵を見せられてそこでこの少女は人間ではないことがわかります。夢の世界なのかな? とも思われますが、他の登場人物が出てくると、これは化身なんだなと感じられてきます。
物語は前章から始まり第4章までになっています。 そしてエンドロールは、おそらく今生との別れから旅立っていく二人を表しているんでしょう。
金魚の一生は短いですし、老作家も残りわずかの人生、短い人生同士の二人に起きた奇跡の物語、最後子供を残したいという赤子の切なる願いが、ちょっと寂しいですね。
二階堂ふみはこの作品の中で結構大胆な役でした。 それを見るのも一考かと。
老作家の前に現れた少女
お出かけに行こうとする少女
3歳っこを育てた金魚屋
行きつけの店で、水槽を見る二人
そこに現れた謎の女
若いままの姿で現れる芥川