anttiorbの映画、映像の世界

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2015年作品、蝶野博監督、竹ノ内豊主演。

父兄参観日、隆史(池田優斗)が“僕の家族”という作文を読んでいる。 それを見つめる森山和彦(竹野内豊)。
いつも和気藹々とした森山家は、夫婦と3人の子供が一緒に暮らす5人家族。父親、和彦、母・皐月(松雪泰子)、長男の淳(坂口健太郎)を筆頭に、高校受験を控えた中学3年生の長女・明日香(黒島結菜)、末っ子はゲーム好きの小学4年生・隆史という3人。
母の家事を長男が手伝い、そこに明日香が帰って来る。 一番最後に父の和彦が帰って来る。今日はカレーだった。
和彦はおもむろに、見慣れない財布を出し、今日は36000円の稼ぎと言い、もう一つ掛け軸も持ってきたと言い始める。 その時みんなの 視線が凍りつく。
淳は「売りさばくルートもないし、足がつくからやめろ」と言い、皐月も、「それはダメ」ときつい口調で言う。
この家族は、和彦が空き巣で、皐月は結婚詐欺師なのだった。
この5人は血の繋がりのない家族だった。 しかし、和彦は誰よりも家族を慈しんでいた。それは皐月も一緒で、3人の子供たちを愛していた。
いったいどうしてこの5人はここで生活をしているのか?
それはまず初めに和彦と隆史の出会いから始まるのだった…

本物の親子とは、家族とは、絆とは? そんなことを考えさせられる作品でした。
登場人物は少なく、すべてを知っている印刷屋のおやじ・ゲンジを演じる國村隼と、あと一人はミツルを演じる、ウーマン ラッシュアワー村本大輔くらいですね。
疑似家族のような5人が、なかなかの繋がりと、信頼を保っているのはなぜなのか? そこがこの作品の肝なんですね。 そしてどうやって5人が集って行ったのか?
そこにはけっこう壮絶な5人の過去があるんですね。
特に、“末っ子”の隆史の生活が私には一晩凄まじく感じました。 こんな親っているんでしょうか? でも今の世の中いそうな気がしちゃうところが、怖く感じます。
淳も明日香も、確かに辛い人生を生きてきてますし、もちろん和彦も皐月も。 でもみんな偽名、本当に5人で作った名前、生活、親子なんですね。
ただ言えることは、この5人なら生きて行ける、もしかしたら生き続けられる、そんな期待を5人とも感じ、だんだん“両親”が捨て身で3人を育てようとする姿に、私はちょっと泣きモードに入りました。
簡単に人を殺してしまう現実と、対比してしまうこの作品、ありえないと言い飛ばすことは簡単ですが、こういう5人の生活を守ってやりたいと思う作品でした。

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幸せそうな5人家族

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この二人の出会いから始まる

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そして廃屋のこの家に

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しかし和彦の本業は窃盗

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そして皐月は結婚詐欺

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