宇宙航行中の医療船ナイチンゲール号は、彼方から発せられるSOSシグナルをキャッチする。 隊長マーレイ(ロバート・フォスター)、副操縦士のニック(ジェームズ・スペイダー)、クールな主任女性医師カエラ(アンジェラ・バセット)、コンピューターのエンジニアであるベンジ(ウィルソン・クラッツ)、そして互いにセックスに明け暮れる医療技師のヤージー(ルー・ダイアモンド・フィリップス)と救命救急士のダニカ(ロビン・タニー)が乗船しているが、それ以外に操縦その他をつかさどるコンピューターのスィーティーと、作業ロボットが乗船している。 ロボットはぎこちない動きの形に何故かしている。
信号は、ポール68-22から出ていて、タイタン37という企業のコールサインだった。 採掘事業をしている会社らしい。 衛星の採掘をしていたが、その衛星は惑星から離れ、はぐれ月になっている。 信号の主はカール・J・ライソン、カエラが反応した。
そこまでの距離は3432光年、時限間移動をしないとたどり着けない距離だった。マーレイは直ちに時限間移動の指示を出し、クルーはカプセルに入ることになる。
しかし移動後に事故が発覚した。 カプセルの一つが壊れていて、そこに入っていたのは隊長のマーレイだった。 彼の体は完全に戻らず溶解していた。
最後の言葉は「殺してくれ」だった。
さらに、次元移動したところは星の重力が激しく船は揺れ、船は破損し燃料も漏れてしまった。 直ちに救出後帰還しなくてはならないが、そこは今はすでに生命が存在しない星。 しばらく辺りを探索してみると、生存者と思わしき一人の青年トロイ(ピーター・ファシネリ)を発見し、ひとまず彼を船に収容することに。 しかし彼には大きな秘密があったのだった…
監督のトーマス・リーというのは、架空の名前なんですね。実は、ウォルター・ヒル、フランシス・フォード・コッポラ、ジャック・ショルダーらが監督をしていたんですが、完成に至らなかったという曰く付きのSFらしいんですね。
確かに設定、舞台感、そしてそこに起こる出来事などは結構凝っていて、冒頭の部分なんかなかなかです。
いきなりの隊長の死、そして指揮を取るのは、元兵士のニックですが、ここでは彼は新参者、なかなか信頼感が築きにくいところからの始まりですね。
もちろん、後から乗り込んでくる救急信号を発していた男・トロイですが、もちろん最初から怪しい雰囲気ですし、いきなり全裸での登場です。
またこの乗組員の二人がいきなり情事をしあっている、確かに閉鎖空間ですから、欲求の抑えが利かなくなるのはわかりますが、あまりにも丸出しなんですね。 そんなところは意外にエロっぽい展開です。
トロイの秘密とはなんなのか? それは彼が持ち込んだものがポイントでした。
展開としては簡単に言えば、「エイリアン」に近いかなかの怖さ、恐怖もあり、ちゃんと一貫して作れば面白いさがもっと増したのでは、と思う惜しい作品でした。
それでも短い作品ですが、結構グッとくるSF作品です。