anttiorbの映画、映像の世界

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マエストロ!

2015年作品、小林聖太郎監督、松坂桃李西田敏行、miwa出演。

香坂(松坂桃李)は目覚ましが鳴る僅か前に目が覚めた。 ヴァイオリニストの彼は、ロンドン交響楽団の審査に落ちてしまった。
しかし香坂はコンサートマスターだった、不況で解散した名門オーケストラ・中央交響楽団の再結成の話が舞い込んできた。 しかし彼が指定された練習場は廃工場だった。
団員は集まっていたが、主要なメンバーはほかの楽団に引き抜かれていて、定年退職したメンバーや、病み上がりのメンバーもいた。 しかしそこに指揮者の姿がない。
コンサートマスターの香坂が団員の確認をして、練習に入ろうとすると、2階で何か作業している作業者がいる。 廃工場の後片付けをしている男だと思った団員たちは練習の邪魔だから静かにしてほしいという。
また フルートが一人足りない、とそこに女の子が駆けつけてきた。 あまね(miwa)という彼女はアマチュアだった。 音を出し始めると、2階の男がケチをつけ始めた。 そして降りてきた彼はなんと指揮者の天道徹三郎(西田敏行)だった。 そして彼の口が悪く、厳しい練習が始まった。
あまねは天童に楽団に入らないかと言われたのだった。 そして食堂でご飯を食べているときに、声をかけられたのだ。
彼のスタイルは異質だった。 指揮棒なんか持たないで、大工道具で代用する。 下手な楽団にはこれで十分だということだった。 そしてそう言われても仕方がないほどの、技量しかないのも事実だった。
しかし言葉が荒い天童だが、行っていることを実行すると不思議に音が改善されてくるのである。 憎ら しいと思いながら彼の実力は認めざるを得ない楽団員なのだが、いったい彼の正体はなんなのか?
そして久しぶりのコンサートはできるのだろうか?・・・

長いこと予告編が流れていたこの作品、西田敏行、松阪桃李の新旧の主役級に、脇がしっかりとした俳優で固められた、それだけでも期待感が膨らむ作品でした。
ただ、テーマがオーケストラだし、演じるのが解散したとはいえプロの演奏者なので、そこが陳腐にならなければいいと思いましたね。
しかしなかなかの構成で、上手くまとまった作品になっていました。
主役の松阪桃李演じる香坂は、親子2代のバイオリニスト、早世した父親への尊敬の思いが強いのが却って彼の成長を阻んでいるそんな役。 そしてなんと いってもmiwaの存在感が秀逸でした。
彼女の役は楽団ただ一人のアマチュアフルート奏者、しかし彼女がソロで吹かされるとき、見事な演奏を見せます。 そこに彼女の凄まじい体験が映像化されます。 しかし普段の彼女はあっけらかんとした浪速少女、何ともいいアクセントになっているんですね。
そして謎の指揮者天童、実はちゃんとプロの指揮者なんですが、名前を知られてはいません。 いったいそれはなぜなのか? そして再結成を企画した人物は?そのあたりの謎解きもこの作品の肝でしたね。
“この世で一番美しいものは…”そして“天籟”この二つのキーワードが心に響く作品でした。

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指定された場所は廃工場

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こんなところで?

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遅れて入ってきたフルート奏者は

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指揮者不在で練習が始まるが

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そこに現れた謎の男

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彼が謎の男天道だった

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