2007年作品、デヴィッド・オーバーン監督、シガニー・ウィーバー、ケイト・ボスワース出演。
娘に絵本を読んでいる母親・ジュリア・サンドバーグ(シガーニー・ウィーヴァー)。 兄はいるがやっぱり娘が可愛いのだ。
彼女はパブで歌っている、CDも出しているのだ。 結構好評でCDを買ってくれたファンにサインをしている。 たまたまレコード会社の人が見てくれていて、声をかけてくれた。 自費製作ではなく、うちで出してみないかという誘いだった。 夢が叶いそうなジュリアだった。
次の日、夜遅かったジュリアは朝遅めに娘のマギーを公園に連れて行った。 いっぱいの子供たちに紛れ彼女も遊んでいたが、ケイトは転んで泣いてしまった。 怪我をしているみたいよと言われたが、腿のウラは、生まれつきの痣だった。 すっかり子供たちが帰ったのでうちも帰ろうと思った時、マギーの姿が無い。 もう公園には誰もいない。 必死に呼ぶジュリア 「マギー!」 しかしマギーの姿はどこにもなかった。
16年が経った。ジュリアは1人暮らしだ。 もちろん働いている。 仕事が終わると、行きつけのレストランで食事をして帰る日課だった。
ジュリアは娘を失った後、変わってしまい家族と別れ、夫のダグ(デヴィッド・ラッシュ)はもう再婚していた。 遅れてパーティーにやって来たジュリアだったが、もうそこに自分の居場所はなかった。 軽い挨拶をしてすぐに帰るジュリアだった。
ジュリアは仕事の関係で、元の家の近くに戻ってきたのだった。 だから家族と会いやすい距離に今は住んでいる。
ある日いつものレストランで食事をしていると、男女の言い合いが聞こえてきた。 男は怒って出て行ってしまった。 泣きじゃくる残された女。 そして女も出て行った。 その女は近くのドラッグストアで化粧の落ちた自分の顔を隠そうと、サングラスを万引きした。 店の主人に捕まり、警察に突き出されそうになったとき、助けたのはジュリアだった。
単なる気まぐれで助けたジュリアだったが、ルイーズ(ケイト・ボスワース)と名のるその女は、ジュリアに近づいてくるのだった…
冒頭で子供がいなくなる、そしてどこかで子供(娘)は生きていると信じる母親、なかなか心痛い話ですが、シガニー・ウィーバーがそんな不幸を背負った母役で出演しているこの作品、日本では劇場公開がされませんでした。
地味な展開ですし、彼女以外そこまで大物がいないからでしょうか? ケイト・ボスワースは前年に「スーパーマン リターンズ」 のヒロインをしているから、公開しても良かったのでは?
どうして万引き女をジュリアは助けたのか? 一人寂しく、誰にも愛情を注げない彼女は、どうしても娘が生きていると信じたい心に、隙がありすぎなんですね。 そんな彼女の、事情もお構いなしにズカズカ入ってくるルイーズ。 何とも図々しい女で、どこからが本当でどれが嘘なのか、もしかするとすべて嘘なのかもしれない、謎の女です。 そして展開は彼女がもしかしたら…という風になっていきます。
シガニー・ウィーバーが何とも痛い感じの母親なんで、ちょっと見ていて辛いんですが、そこがこの作品の味なんでしょうね。 実は再見した作品でした。
彼女には娘がいたのだが
今は一人暮らしのジュリア
息子と婚約者
そこに現れた万引きをした女
だんだん二人は近づいて行くようになる