anttiorbの映画、映像の世界

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HUNGER/ハンガー

 
1981年。 当時のイギリス首相マーガレット・サッチャーは、1977年に制定された北アイルランド紛争関連の囚人たちから政治犯の権利を剥奪する方針を支持すると表明し、IRA暫定派などとの対決姿勢を鮮明にする。
レイ・ローハン看守長(スチュアート・グラハム)はIRAが多く収監されているメイズ刑務所に勤務している。 彼の拳はいつも傷だらけで、腫れている。 洗面所で冷たい水に時間があれば浸している。 彼は家を出る時に用心深く、車の下の何かないか、必ずチェックして出勤するのだった。
今日も一人のIRAの囚人が、入ってきた。 彼はローハンに囚人服ではなく、私服を着ることを要求する。 しかしそんな訴えに一切答えないローハン。 そして彼は無言のうちに、服を全部脱ぎ捨て、房に連れて行かれる。
ギレンというその男が入った房の中は、何とも言えない雰囲気だった。 壁には糞尿がなすりつけられている。 そしてその中にうずくまる男がいた。 ボビー・サンズ(マイケル・ファスベンダー)といい、この刑務所のリーダー格の男だった。 そしてこの男の号令がかかると、一斉に房の中から小便がしみだしてくるのだった。
囚人たちが集められ、モーラン神父(リアム・カニンガム)の説教の時間が来た。 しかしほとんどの者は聞いていない。 そしてやはりその中で色々指示を与えているのは、ボビーだった。
ローハンはボビーに対しては一番むごい仕打ちをする。 頑なに髪を切るのを拒否するボビーにリンチまがいのやり方で髪を切るのだった。 しかし、そんなローハンが狙われた。 痴ほう症の母を見舞に行ったとき、狙撃され殺されてしまうのだった。 そして外の同士の過激な犯行にボビーは方針を変更するのだった…
 
それでも夜は明ける」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11310725.html のスティーブ・マックイーン監督の長編第1作です。 このテーマのハンガーストライキですが、これを実行するボビー役にマイケル・ファスベンダーが鬼気迫る演技をします。
予告編でのシーンは彼のシーンですね。 この役作りをするために、彼は突貫工事で体を作り上げたと言います。 彼の体を見るだけでも、実際に在ったIRAのボビーの抗議行動、リアルさは半端じゃないですね。
彼が63日間行ったハンガーストライキ、その後同じような形で9人が続いて命を落としていきますが、そんな事実が実に詳細に描かれていました。
IRAというと過激なテロリストとして描かれることが多いですが、彼の抗議行動はある意味民族独立に掛ける切実な思いを感じ取ることができます。 彼の要求は刑務支所内の待遇改善に端を発していますが、イギリス国民に与えたインパクトは半端じゃなかったんでしょう。 衝撃作でした。
 
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ギレンは抵抗するも脱がされ収容される
 
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収容所内のリーダーのボビー
 
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神父との対面、迫力の長回し
 
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最後の抵抗を開始するボビー
 
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もう歩くこともできなくなるボビー
 
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