クラウド　アトラス - anttiorbの映画、映像の世界

2012年作品、ウォシャウスキー姉弟、トム・ティクヴァ監督、トム・ハンクス、ハル・ベリー出演。

隻眼の老人ザックリー（トム・ハンクス）は子供たちに語り始める。　時空を超えたいくつもの　“自分”　の物語を。

1849年の太平洋諸島。　　医師ヘンリー・グース（トム・ハンクス）は弁護士ユーイング（ジム・スタージェス）と出会う。　ユーイングはホロックス牧師（ヒュー・グラント）と奴隷売買の契約を交わす。　島で罹患したユーイングに、グースは無料の治療を買って出る。

1936年、ユーイングの航海日誌を読む音楽家フロビシャー（ベン・ウィショー）は父親に勘当され、恋人シックススミス（ジェイムズ・ダーシー）のもとを離れて、スコットランドの作曲家エアズ（ジム・ブロードベント）の家へ押し掛ける。

1973年、シックススミスは物理学者となっていた。　原発事故を引き起こし石油企業の利権を守ろうとするフックス（ヒュー・グラント）を告発するため、偶然知り合ったジャーナリストのレイ（ハル・ベリー）に原発の報告書を託そうとするが、二人に殺し屋（ヒューゴ・ウィービング）の魔の手が迫る。

2012年、ロンドンで作家ダーモット・ホギンズ（トム・ハンクス）は著書を酷評した書評家を殺し、カルト的英雄となる。　大儲けした出版元のカベンディッシュ（ジム・ブロードベント）はダーモットの弟たちに脅迫される。

2144年、遺伝子操作で作った複製種を人間が支配する全体主義国家ネオ・ソウル。　複製種ソンミ451（ペ・ドゥナ）は密かにカベンディッシュ原作の映画を観て自我に目覚める。　しかし警察に捕まってしまったソンミを救ったのが、革命軍チャン（ジム・スタージェス）だった。

地球崩壊後106度目の冬、この地で進化した人間コミュニティーからの使者メロニム（ハル・ベリー）が若き日のザックリーの村を訪れる。　しかし彼は彼の心の闇の部分であるオールド・ジョージー（ヒューゴ・ウィービング）に悩まされ続けている。　しかしザックリーはメロニムのガイド役となり悪魔の地と呼ばれる険しい山を目指すことになるのだ。・・・

6つの異なる時間、場所で展開する物語を、切り替えながら描かれている作品でした。　　３話ずつ、ウォシャウスキー姉弟と、トム・ティクヴァが分けて撮っています。

これはなかなか筋書きを追いかけるのが難しい作品ですね。　頭をスッキリさせて６つの物語を追いかけるだけでも大変な作品でした。　驚くことは、各俳優が、各物語に何らかの役で出ているところですね。　特に主役級の俳優は全話出ているんですね。　男性が女性の役とかその逆もあり、これはエンドクレジットを見ないとわからないところも多かったです。　こういうのはパンフレットが必要かもしれません。

この作品を見て感じたことは、手塚治虫の「火の鳥」ですね。　未完で終わった作品ですが、過去あり未来あり、宇宙あり地球ありの大作でしたが、そんな試みを３時間で現そうとしたかのような作品でした。

なかなか共通したテーマを見つけ辛く、また無理矢理そうすると無理が生じますから、輪廻転生の抒情詩として観るのが一番ですね。　主役のふたりの活躍が大きいですが、私は久しぶりに見るペ・ドゥナが良かったです。

３話に出ていますが、メキシコ人の役はわからなかったですね。　彼女は語学も堪能になっているんですね。　自然な顔の作りが好感のもてる女優で、彼女の出ている作品は注目しています。　もう国際的な女優ですね。　なかなか興味深い作品でした。