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セルピコ

1973年作品、シドニー・ルメット監督、アル・パチーノ主演。
 
けたたましい救急車のサイレンが鳴り響いている。 1971年2月、ニューヨーク市警の警官フランク・セルピコアル・パチーノ)が重傷を負ってグリーンポイント病院に担ぎこまれた。 第8分室に連絡が入った。 地区総監グリーン(ジョン・ランドルフ)は早速彼の病室に24時間の警戒態勢をを引かせた。 話は11年前に遡る…
セルピコは希望と使命感に燃えて警察学校を卒業した。 ブルックリンの82分署に配属になった彼は、2階でどの部署に行くのか聞くように言われた。
優秀警官の張り紙を見て、彼は一段と燃えていた。 カフェに先輩警官と行くと、無料でサービスが出てきたが、食える品物ではなかった。 でもどうして無料なのか?それは駐車違反を見逃すからだった。 金を払って真面なものを食うと言うと、先輩に止められた。
別の先輩とパトロールをしていると、無線が入った。  しかし先輩は地区が違うからと言って行こうとしない。  しかしセルピコは駆けつけた。 そこでは女性が暴行されていた。 3人の黒人の男たちが黒人の女に暴行を加えるところだが、逃げるうちの一人を捕まえたのはセルピコだった。
取調の刑事は荒っぽかった。 捕まった男は半殺しにあったようだった。 セルピコは殴らなかった。 犯人の男は共犯者をしゃべらなかった。 セルピコはコーヒーをおごり、共犯者を聞き出し、残りの2人を捕まえたが、学生だった二人を逮捕するために許可なく学校に入ったことを咎められた。 夢を持って入った警察、しかし彼はだんだんと現実とのギャップを感じ始めていた…
 
フランク・セルピコという実在の人物を描いたルメット作品です。 正義感が強すぎる彼は、始めから周りから浮いた存在でした。 周りから見れば融通の効かない奴ということなんでしょう。 
ちょっとくらいのお目こぼしとみんなは思っているのでしょうが、彼はそう思えないところから、どんどん乖離していくセルピコ。  しかし、そんなレベルではまだよかったんですが、だんだん金銭がかかわってくるところから、警察の腐敗に問題はなっていきます。
途中から彼は上層部と称する人間から、腐敗を暴く指示を受けます。 しかしなかなか彼の報告が届いているのかはっきりしないところから、彼の歯車がくるっていきます。 其れでも彼は愚直でした。
アル・パチーノとルメットのコンビは 「狼たちの午後」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/9494020.html もそうですが、社会の恥部をアル・パチーノを通じて抉っていく作品は共通している感じがします。 
冒頭での顔面を撃たれ運ばれていくショッキングなシーンで、主人公の死を感じさせますが、そうではないんですね。 
セルピコに感情移入していくと、やるせなさを感じる作品ですが、70年代はこういうことがある程度まかり通ったある意味緩やかで、おおざっぱな世の中だったんでしょうね。 
ちょっと時代を間違えて生まれてしまった感のある男の物語でした。



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顔面に銃撃が

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夢を持って警官になったセルピコ

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始めに新人として話を聞く

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周りと馴染まず、独自の動きを始めるセルピコ

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そして現実とのギャップに荒んでいく彼

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