立派な車もステキな家も美しい妻も、煙のように消えてしまった。 大手自転車メーカーの取締役アラン(トム・ハンクス)は、業績悪化の責任を問われ解任され、家や車はおろか美しい妻さえも一瞬にして失ってしまう。
どうして大きなプロジェクトを彼が任されたのか? それは彼が国王の息子と面識があったという事なのだが、それは若いころにたまたまトイレで一緒になって意気投合しただけのことだった。
付いたその日はホテルですぐに眠ってしまい、次の日はモーニングコールを賭け忘れ、バスの時間に遅れてしまう。 すぐに英語のわかる運転手付きの車を手配するが、ユセフ(アレクサンダー・ブラック)は何かと癖のある男で、何かテンポが合わないアランだった。
そしてアランは責任者に会いに、迎えのオフィスビルに入っていくが、底にはぽつんと受付の女性がいるだけ。 そして責任者のカリム・アル・アフマド(ハーリド・ライズ)は不在で今日は戻らないと言われる。 アランのところには、会社から進行状況を聞く電話が絶えず入ってくる。 彼は娘との動画ネット通信だけが、息が抜ける時間だった。
次の日も彼はまた寝過ごしてしまい、ユセフに来てもらうが、その日もまたカリムには合えない。
そんな日が続きとうとう彼は、ビルのエレベーターに乗り、事務所にカリムを訪ねるが、そこにいたのは彼の部下のハンナ(シセ・バベット・クヌッセン)だった。 彼女は、彼を慰め、そして持ち込んではいけない酒を差し入れてくれる。
アランにはある悩みがあった。 それは背中の上部に出来た大きなこぶだった。 悪性の腫瘍かもしれない、とうとうアランはアルコールの勢いで、勝手にそれを傷つけてしまう。
翌朝ユセフが背中から血が出ているのに驚き、病院に連れて行ってくれる。 そこでは美人の女医・ザーラ・ハキム(サリタ・チョウドリー)が診察をしてくれる。 悪性とは思えないが、一応細胞を分析することになる。
遅々として進まないプロジェクト、彼は仕事を進めることが出来るのだろうか?・・・
「ハドソン川の奇跡」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14458933.html 「インフェルノ」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14526693.html の前にアメリカでは公開されたこの作品、日本は今年回しとなってしまいましたね。
監督はトム・ティクヴァ、「クラウド アトラス」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11029566.html 以来の新作、「パフューム ある人殺しの物語」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14091793.html も衝撃的でしたが、はたして今作は?
物語は、失敗してすべてを失った男が、勝手の違う砂漠の国サウジアラビアで悪戦苦闘するお話ですね。 イスラム圏という勝手の違う環境、なかなか時間の流れの違う習慣、どうしたらプロジェクトのプレゼンが出来るのか? そのきっかけは何と、この病院に行ってから物事が動き始めるんですね。
ちょっと勝手の違う環境、中東圏での仕事ってこういうもんなのかもしれないですね。 しかしサウジは有名な裕福な国、あるきっかけでいきなり物事が進むんですが、財力があり、決定したら早いと言うか、偉い人が一声賭ければ進むのは、アメリカはじめ先進国以上に早いんですね。
爽快感のある作品ではなく、これはアランの人生の再出発物語なんですね。 どこに新しい人生が転がっているかわからない。
これもトム・ティクヴァ監督らしいのかもしれません。
中東に来たアラン
父との電話は愚痴と罵声ばかり
運転手のユセフと知り合う
そして女医のハキムと出会う
そして背中の傷が膿みだし彼女が駆けつけてくれる