anttiorbの映画、映像の世界

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人間の証明


ジョニー・ヘイワード(ジョー山中)は銀行で金を下し、向かった先は空港。 六千ドルの大金だった。 彼は日本に向かおうとしている。 初めて持った大金に浮かれるジョニー、みすぼらしいスラムに荷物を取りに戻った彼は、すでに着飾っていた。
「どこに行くんだい?」 「こんなところとはおさらばさ。 良く先はキスミー!」そう言って彼は日本へと。
東京ロイヤル・ホテルの四十二階で、人気絶頂の女流デザイナー八杉恭子(岡田茉利子)の華やかなファッションショーが開かれている。 しかしこのエレベーターで顔面蒼白の男が、男は胸から血を流して息絶えた。 黒人の男で、最後の言葉は「ストーハー」だった。
すぐさま警察が来た。 ファッションショーを開いていた八杉に事情を聞いているのは那須警部(鶴田浩二)と草場刑事(地井武夫)、そして棟居刑事(松田優作)とベテラン刑事横渡(ハナ肇)らは、現場近くの潜水公園を検証し、そこで古い麦わら帽子を発見した。
「ストーハー」とはストローハットの事なのか? その夜、別の場所で車による轢殺事件が起きた。 東洋技研の新見部長(夏八木勲)に、家の近くまで送られてきたホステスのなおみ(范文雀)が車から降りて間もなく、別の方向から走ってきた車にはね飛ばされた。
車から若い男女が降りてきた。 運転していた郡恭平(岩城滉一)は、女友達の路子(高沢順子)と共に、なおみの死体を車に担ぎこみ、山林に埋めた。
同じ日に起こった二つの殺人事件。 しかしこの二つの事件が絡み合いその背景に昔の戦後の混乱期に起こった不幸な事件が巻き起こしていたのだった…

森村誠一原作の当時3部作の証明シリーズの第1作ですね。 角川映画全盛時代で、豪華キャストの作品です。
ここに書いてあるキャストだけでなく、三船敏郎竹下景子大滝秀治、書ききれないほどの俳優陣が出ていますね。 当時この作品のCMが盛んに流れ、西條八十の詩の一説が流れます。
「母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね ええ、夏、碓氷から霧積へ行くみちで 渓谷へ落としたあの麦藁帽ですよ…」 このフレーズは話題となり、コントにまで使われていましたね。
それとジョニー役で出ているジョー山中が歌う 「人間の証明のテーマ」 が哀愁ある歌でしたね。 でも歌詞が英語だったので、冒頭部分しか歌えませんでした(^^)
内容は戦後の動乱期で不幸にして混血時として生まれたジョニーの可愛そうな運命と、それを必死に隠そうとする母のエゴに満ちた生き方を悲劇的に描いている作品です。
父親は違うのですが、二人の息子に対する愛し方の違いが何とも痛々しく描かれています。
最後の真相を掴み犯人を追う棟居刑事役の松田優作の演技が、これもまた哀愁のあるシーンでしたね。 懐かしい思いを感じてみた作品でした。

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キスミー彼はそう言って日本に旅立った

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世界的デザイナーの八杉と夫の陽平


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殺人事件の捜査に彼女に話を聞く刑事たち


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そして真相に近ずく棟居刑事

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そして事件の真相がわかるが

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宙に舞う麦わら帽子

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