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JSA


1950年朝鮮戦争勃発、1953年休戦協定調印、38度線が引かれ、その線上に定められた共同警備地域(JOINT SECURITY AREA)には南北兵士たちが対峙している。
ある年の10月28日2時26分、ここで南側の兵士が傷ついた姿で足を引きずっていた。 これをきっかけに銃撃戦が起こった。 3日後、南北の共同捜査が行われ、中立国の協力もされることとなった。 スイスとスウェーデンからなる中立国監督委員会は実務経験のある将校を派遣することになった。
韓国系の女性将校ソフィー・E・チャン(イ・ヨンエ)は父が韓国人だった。 もう犯人は逮捕され捜査は始まっているが、デリケートな問題なので、結果ではなく真相究明の過程が重要なのだと指示されるチャンだった。
当日は”北”のオ・ギョンピル(ソン・ガンホ)と”南”のイ・スヒョク(イ・ビョンホン)、がそれぞれパートナーと警備の任についていた。 お互いに撃たれ、傷を負っている。チャンが来たからにはこれからは中監委が管轄となり、彼女の許可なくお互いの国の上司とも会えなくなる。
通常なら、睨み合いこそしてもお互いにむやみに撃ちあうことなどしない、またひかれた38度線を超えることもしないはずなのだが、スヒョクは北の兵士を二人射殺し、傷を負って逃げてきた。 なぜ彼は北の警備室にいたのか? 拉致されたのか? 実は真相は全く違っていたのだ…

ぎすぎすした南北の対立を描いた作品のイメージでしたが、さもあらず。 実際は全く違う内容ののどかな展開で話は進んでいきます。
上記の3人、北側のソン・ガンホ、南側のイ・ビョンホン、そしてスイス系韓国人で捜査をするイ・ヨンエ、各々の立場が入り混じる同じ民族のやり取りがよく表れている作品でした。
どうして同じ民族同士いがみ合い、ともすれば戦わなくてはならないのか? そんな民族的感情がよく表れていると思いました。
イ・ヨンエの美しさは引き立っていますが、立場が中立国側なので、感情を押し殺した役となっています。 彼女の他の笑顔の作品も見たくなりますね。
結局あるきっかけで、小さな北と南の交流が引き裂かれますが、それも物悲しく、最後のクライマックスに繋がっていきます。
この作品が作られてから13年経ちますが、政権もお互い変わり、新たな展開を見せている今日、統一できる日は来るんでしょうか? なかなかドイツのようにはいかない隣国にちょっと悲しくなる物語でした。

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中立国の韓国人として彼女は派遣された

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南側のイ・スヒョクの取り調べ


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実はこの前に

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こんな写真があるのだった

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事件が起きる前の38度線での写真…

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