anttiorbの映画、映像の世界

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狼たちの午後

1975年作品、シドニー・ルメット監督、アル・パチーノ主演。

1972年8月22日。 ニューヨークは36度といううだるような暑さだった。 その日の2時57分、銀行がもうじき閉まる時間だった。 3人の男が入ってきた。
始めにラフな格好の男、次にスーツの男・サル(ジョン・カザール)、最後に大きな長細い箱を持った男・ソニーアル・パチーノ)。
ガードマンは閉店の準備をし始めている。 最後の客が帰り始め3人だけとなった。ラフな格好の男はドアを見張り、スーツの男はもう支店長にこっそり銃を突き付けていた。 誰もいなくなったところでソニーは銃を出し行員を威嚇した。 
その時あろうことかラフな格好の男は怖気づき銃を置いて逃げてしまった。 ソニーとサルのふたりで強盗をやることになったが、ソニーはカメラを映らなくして、人質を集め、金庫を開けさせた。 しかしこの日金庫には1100ドルしか入っていなかった。引っ込みがつかなくなった二人は、カウンターの金を集めだし、電話が鳴るたびに面倒な対応をしなければならなくなった。 小切手を集めさせ、台帳を燃やすと、そのけむりが換気口から漏れ、不審に思われてしまった。
何とか支店長がとりなしたが、どこからわかったのか、外から警察がソニーに電話をしてきた。 あっという間に包囲されてしまった。
野次馬が取り囲み始め、二人と人質たちは閉じこもられてしまう。 しかしソニーとサルは投降はしなかった。 そして長い長い籠城が始まっていくのだった…

これは実話なんですね。 どうしてソニーは銀行を襲ったのか? なかなか触れないのですが、ソニーの家族、最近の状況がわかるにつれて理由が明らかにされてきます。
そして決して人質を殺さない姿勢に、人質とソニーの間に、最後にはサルにも、人質たちはなぜか親近感さえ持つようになります。 また外のやじ馬たちも、警察(権力)に対する抵抗を感じ始め、応援し始めるというところが、この作品の時代を感じさせますね。
最後は銀行強盗なので、FBIが乗り出してきますが、それまでの警察のやり取りから一転して手際のいい、犯人とのやり取り、そしてエンディングにつながっていきます。
警察からFBIと交渉相手が変わるところは 「ダイハード」 を思わせます。 
サルの人物像は謎に包まれていますし、ほとんど笑わない彼ですが、最後にほんの少し笑顔を見せるところがなんか哀れでしたね。 これもルメットの風刺のきいた作品でした。


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閉店ぎりぎりに飛び込んだサニー

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強盗をしに銀行に入ったが…

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現金があまりない

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あっという間に包囲される

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支店長と、謎の男サル

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長く暑い時間が始まる


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