anttiorbの映画、映像の世界

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愛を読むひと

2009年作品、ティーブン・ダルドリー監督、ケイト・ウィンスレットレイフ・ファインズ、デヴィッド・クロス出演。
 
ベルリン、1995年。 朝食の用意をして、静かな朝を迎えるマイケル(レイフ・ファインズ)、女は帰っていった。 窓を眺めるマイケル、彼の記憶は1958年に遡っていた。
その日彼は15歳で、電車に乗っているときから気分が悪かった。 電車から降り、路地でとうとう吐いてしまった。 そこに通りかかった女性・ハンナ・シュミッツ(ケイト・ウィンスレット)が介抱してくれた。 汚物の掃除をしてくれ、濡れた髪を拭いてくれ、家まで送ってくれた。
猩紅熱だった。 医者に数か月安静と言われた。 数か月後ようやくよくなってきたマイケル(デヴィッド・クロス)は、花を持ってハンナのところへお礼に行った。
ドアはあいていた。 愛想のないハンナ、「3か月も寝ていた」と言い帰ろうとすると、帰り際ハンナの着替えのところを見てしまう。 大人の女の人、マイケルはいけない物を見てしまったと思い逃げるように帰ってしまった。
しかし彼はまたハンナのところへ向かうのだった。 ハンナは路面電車の添乗員、家に行くと、地下から石炭を運んできてと言われる。 運んできたときは顔は真っ黒、お風呂に入って洗いなさいと言われ言うままに裸になると、ハンナも入ってきた。 そして二人の21歳の歳の差の男と女の付き合いが始まった。
ハンナは本を読んでもらうのが好きだった。 彼は 「オデュッセイア」 から 「チャタレイ夫人の恋人」 まで一心に読み続けた。
しかしハンナはある日今までの添乗員から事務職に昇進することになったが、彼女はなぜか嬉しそうではなかった。 その日もマイケルは来たが、何故かハンナは機嫌が悪く、その日を最後にハンナは消えてしまった。 
数年後彼は大学生になっていた。 そしてハンナと意外なところで再会をするのだった…
 
現代は 「The Reader」 というのですが、ハンナの隠された過去がわかった時のマイケルの心の葛藤が、また短期間でも付き合った彼女の暗い部分が明かされ、そして彼女の境遇が、落ちていく悲しみが強く伝わってきます。
官能的なシーンもあるのですが、それよりも後半の彼女の姿が印象的でしたね。 ハンナ役のケイト・ウィンスレットは30代の女性から、老年期まで老け化粧で対応していますが、マイケル役はさすがに無理ですよね。 そこがちょっと冒頭解りづらくなっています。 
そのあたりの惜しいところはありますが、この作品もアウシュビッツ強制収容所に触れていて、第2次大戦の負の部分が少し描かれています。 そのあたりが、若いマイケルがいたことで36歳のハンナがどれほど癒されたか、また反面罪の意識を持ち続けることがいかに彼女を苛んでいたのか、息苦しさを感じる作品でした。
最後のハンナが釈放される時にようやく再開した二人ですが、もう二人の時間はなかったんですね。 悲しい人生のハンナがちょっと涙を誘う作品でした。
 
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二人の付き合いが始まる
 
 
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歳の離れた二人だが
 
 
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彼は彼女に本を読んであげる
 
 
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彼女に会うのが楽しみだったマイケル
 
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そして今のマイケル
 
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