妻のアルマ・レヴィル(ヘレン・ミレン)からは、最近太り始めているので、酒や食べ物を今まで以上に管理されている。 そんな時、エド・ゲイン(マイケル・ウィンコット)が起こした猟奇的殺人事件の本が話題になった。
この話は主人公が途中で死んでしまうが、アルマは最初の30分で殺してしまうほうがいいという。 その意見で彼は腹を決め 「サイコ」 を撮ろうと、パラマウントの首脳に話すのだが、こんな作品に客は来ないと言われる。
ヒッチコックはここで賭けに出るのだ。 自宅のプールで泳ぐアルマに、もしかするとしばらく泳げなくなるかもしれない、それだけでなく家も失うかもしれない。 そう彼は自費で「サイコ」を撮ろうとしているのだった。
映画会社には配給だけお願いし、費用は自分で出すと言い切った。その代わり収益の40%いただくと。 今までにない事態になったヒッチコックは、多分に神経質になり、アルマとのあいだにもすきま風が入り始めるのだが・・・
「サイコ」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/5624401.html が、いかにして出来たのか? どうして彼の最大のヒット作となったのか? その舞台裏を描いた作品です。
題名こそ「ヒッチコック」ですが、これはアルマの物語でもあり、彼ら夫婦の作品でもありました。
シルエットはアンソニー・ホプキンスが頑張って似せていましたね。 もちろん顔は違いますが、映画監督としての頑固さ、わがままさ、神経質さは大変良く似せようとしていましたね。
アルマとの二人三脚で今まで来たのが崩れそうになる時、もう一度原点に戻るきっかけがこの 「サイコ」 だったんですね。 もう大御所としてある意味ヒットメーカーとなっている彼が、会社と揉めてほとんで自費制作になってしまうことは、夫婦の関係もいい意味でリフレッシュできるきっかけになり、そんなところは見ていて気持ちいいのですが、有名女優との浮気ぐせはちょっと彼の風貌からは想像しづらかったですね。
ただこの作品では、いかに映画会社と、監督の撮りたいものに差があるかを痛切に感じました。 もちろん会社は儲からないものを撮らせたくなく、そんなものに金を出したくないのはわかります。 おそらく大監督のいいなりになってこけた作品がいっぱいあったんでしょう。
映画を作る上で難しいところですが、そう考えると、プロデューサーの役目って重要だなあと改めて思いました。
「サイコ」 は制作もヒッチコック自身ですが、うまく間に入って調整する人間は今の時代にはなおさら重宝されるのではと強く感じました。
でもヒッチコックファンとして彼が名実とも主役の作品を見れたのは幸せでした。
充分大御所になった彼だったが
次作に悩んでいた
そこで「サイコ」を自費制作で、
ジャネットを交えて
仕上げは二人で