anttiorbの映画、映像の世界

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ラビット・ホール


庭の手入れをしている女性・ベッカ(ニコール・キッドマン)、木戸をあけて隣のペグ(パトリシア・カレンバー)が入ってきた。 夕食会の誘いだったが、ベッカはサラッと断るのだった。
ペグはせっかく植えたところを誤って踏んでしまった。 がっかりするベッカだが、気を取り直して取り繕うのだった。 
夫のハウイー(アーロン・エッカート)との二人の生活。 しかしつい8ヶ月前にはもうひとり家族がいたのだった。
夜に電話が鳴った。 妹・イジー(タミー・ブランチャード)を引き取ってほしいという電話だった。 警察からで妹はバーで酔って喧嘩をしたのだった。 その日は家に泊めたのだが、次の日はグループセラピーに参加する日だった。
8か月前、一人息子ダニーが道路に飛び出して交通事故に遭い、わずか4歳でこの世を去ってしまった事から、二人には人の心には埋めようのない欠落感が生まれていた。 
ジーから今付き合っている男とのあいだに子供ができたと知らされる。 傷心のベッカにイジーは言えなかったので、先に母のナット(ダイアン・ウィースト)に言っていたのだった。 イライラしていたベッカはその日のループセラピーでつい発言者にチャチャを入れてしまい退席してしまう。
その日からベッカはセラピーに行かなくなった。 そんなある日、彼女はある男の子を見かけるのだった。 そう彼はジェイソン(マイルズ・テラー)、ダニーを轢いてしまった少年だった・・・

同じような境遇の者が集まってくる、グループセラピーってあるんですね。 日本にもあるのかなって思ったりしました。
世の中強い人間ばかりでなく、助けを求めている人もいる中、うまく活用できればというコミュニティですね。 でもこの作品に出てくるギャビーはもう8年も参加している女性で、それにはちょっと驚きでした。 それほど辛いものなんだなあと感じました。題名のラビットホールは多元世界に行ける出口のことですが、その穴を通って、幸せな自分のいる世界に行けるのでは? と少しでも思ってしまうベッカがちょっと痛々しいですね。
人間の心の穴って、時間が解決してくれるのか、それともその穴を覗き込んで中を辛くても確認して埋めるのか、最悪はその穴に飛び込んでしまうかもしれませんね。どうやって立ち直っていくかはそれぞれですが、この作品では夫婦がそれぞれもがいている様がよく伝わってきました。
また加害者である少年が癒しになるというところも悲しいのですが、ジェイソンという少年が、心優しい少年であるのが救いでした。
きっと立ち直っていけるだろうというエンディングにちょっと暖かさが差し込んでいたのが良かったですね。(Ka)

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傷心のベッカ

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溝ができてしまった二人

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母のナット、実は彼女も息子を亡くしている

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そしてあの少年に出会う

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加害者の彼と会うことで、なぜか癒される彼女

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