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アラビアの女王 愛と宿命の日々


19世紀後半、イギリス。 裕福な鉄鋼王の家庭に生まれたガートルード・ベル(ニコール・キッドマン)は、いらだっていた。 オックスフォード大学を女性で初めて首席で卒業、社交界にデビューするも、女性の進出はままならず、周りの男たちは女性を自分の戦利品のように扱おうとしていた。 美しいドレス、華やいだ社交界、世界から集められた美術品、そしてありきたりの会話…。 そこに彼女の生きる場所はなかった。
両親からは早くの政略結婚を希望されていたが、彼女の希望は目が覚めるような世界への扉だった。 娘を溺愛する父は、そんな彼女に、テヘラン駐在公使である叔父がいるペルシャへの旅を提案する。 一時の熱情はやがて冷め、きっとこの華やいだ生活が恋しくなって、戻ってくるであろうと予測しての提案だった。
しかしガートルードは、アラビアの砂漠の魅惑にとりつかれてしまう。 その時父は、彼女が 「アラビアの女王」 とやがて称賛されることになるであろう、一人娘の姿を予測できなかった。 時は20世紀となっていた。 それは新たな時代の幕開けの瞬間でもあった。
やがてイランと称されることになるペルシャの公使館でガートルードは、三等書記官のヘンリー・カドガン(ジェームズ・フランコ)と運命的な出会いを果たす。 ヘンリーは、イギリスにいた鼻持ちならないどんな男性とも違った。 ガートルードの好奇心を受け止め、その好奇心を上回る知性で彼女を支えていく。
そんなふたりが自然と惹かれ合うには時間はかからなかった。 しかしヘンリーを長い間愛していた従妹のフローレンス(ホリー・アール)は、そんなふたりの関係に心身を消耗させていく。
さらにガートルードの父は、身分が違いすぎるということで、ふたりの関係を認めようとはしなかった。 彼女は父を説得するために一時帰国をするが、そこで聞かされたのは、ヘン リーは賭博常習者で破産状態にあるという事実だった。
心のままに過ごすガートルードに飛び込んできたのは、生涯にわたり癒されることのない衝撃の出来事だった。 ヘンリーは、ガードルードへの想いが実らないことに苦悶し、自死したのだった。
ヘンリーとの悲恋と、胸の内の深い傷をいさめようと、彼女はますますアラビアの地にのめりこんでいく。 アンマンの英国領事館で、考古学とベドウィンの研究のためのアラビア半島の砂漠の旅を申請するも、状況の不安定さから、英国軍人サイクス(ニック・ウォーリング)の怒りと反発をかってしまう。
しかし彼女は忠実で優秀なる召使いファトゥーフ(ジェイ・アブド)を伴い、いよいよ2,500キロに及ぶ砂漠縦断の旅へと出るのだった・・・

監督のヴェルナー・ヘルツォークはいろんな作品で出演、製作、監督を務めていますが、近年は 「アクト・オブ・キリング」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11982535.html  「ルック・オブ・サイレンス」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13373389.html の製作総指揮をしていますね。
主演はニコール・キッドマン、「シークレット・アイズ」 「ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14524338.html 「リピーテッド」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13116256.html  「パディントン」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13825997.html とコンスタントに出演していますね。
ただ今作はがっちりと主演、演じるのはガートルード・ベルという、西欧人で中東で唯一信用された人物、彼女は、「イラクの無冠女王」 と言われたそうですね。 そんな彼女の生涯を、学生時代から一貫して演じていました。
最初の恋人はペルシャの三等書記官、ジェームズ・フランコが演じていましたが、その恋は儚く終わってしまうんですね。 そして傷心の彼女はますます中東に傾倒していきますが、砂漠が彼女には合っているのか? ちょっと危険そうなところにも彼女はどんどん入っていきます。
そんな彼女を守る存在が、ファトゥーフという召使なんですね。 ジェイ・アブドが演じていますが、彼の存在があってこそのベルなんですね。
結局彼女は生涯独身で、重要な職にまでつく存在になっていきますが、恋は実らなかった。 砂漠における伝説的な存在なんでしょう。

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ペルシャでヘンリーと出会う

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そして愛を確かめ合うが

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愛は実らず再び中東へ

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現地に溶けこんでいく

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リチャードが面倒を見てくれる

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そして妻子ある彼と親密に

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