2022年作品、シノニエ・チュクウ監督、ダニエル・デッドワイラー ウーピー・ゴールドバーグ ジャリン・ホール ショーン・パトリック・トーマス ジョン・ダグラス・トンプソン ヘイリー・ベネット フランキー・フェイソンケヴィン・キャロル ロジャー・グーン ヴァー・スミス トシン・コール ブレンダン・パトリック・コナー出演。
1955年、イリノイ州シカゴ。メイミー・ティル(ダニエル・デッドワイラー)は夫が戦死して以来、空軍で唯一の黒人女性職員として働きながら、14歳の一人息子エメット、愛称ボボ(ジェイリン・ホール)と穏やかに暮らしていた。
ある日、エメットは初めて生まれ故郷を離れ、ミシシッピ州マネーの親戚宅を訪れる。そのとき、飲食雑貨店で白人女性キャロリン(ヘイリー・ベネット)に向けて「口笛を吹いた」ことが白人の怒りを買ってしまう。 1955年8月28日、エメットは白人集団にさらわれ、壮絶なリンチを受けた末に殺され、川に投げ捨てられてしまう。 我が子の変わり果てた姿と対面したメイミーは、この事件を世に知らしめるため、常識では考えられないある行動を実行する。 そんな彼女の姿は多くの黒人たちを勇気づけ、大きなセンセーションとなって社会を動かすエネルギーとなっていく……。
監督はシノニエ・チュクウ、初めての監督でした。
メイミー役でダニエル・デッドワイラー、「ザ・ハーダー・ゼイ・フォール:報復の荒野」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2021/12/07/180000 に出演でした。
エメット・ティル=ボボ役でジェイリン・ホール、「オールデイ・アンド・ア・ナイト:終身刑となった僕」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2020/06/14/060000 に出演でした。
これも事実の映画化ですね。 時はまだまだ人種差別が激しい時代、特に南部の反黒人感情はものすごいことが、改めて浮き彫りになっている作品ですね。 私は今まで単純に、奴隷制から始まった黒人差別が根底にあると思っていましたが、この作品では、南部における白人は差別以上に、憎しみ、憎悪を持っているんですね。 これが黒人側の対白人に対する、逆の憎しみの元になっているという感じがします。
そもそも黒人に対する根底にある憎しみとはなんでしょう? 今作でも、確かに白人の女性に口笛を吹くのは、軽蔑と捉えられても仕方がないんですが、その前に、美しい女性店員(この女性は店の経営者の妻でしたが)に対して、女優さんみたいと言って褒めているんですね。 でもそれは全く通じず、ただただ侮辱され、敵対行為とみなされて悲劇が起きていきます。
もちろんここで裁判をしても勝てるわけがありませんが、この黒人蔑視、敵対感情の根底に何があるのか? よくアメリカは白人と黒人に分裂しなかったと思います。