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クイーン&スリム

2019年作品、メリーナ・マツーカス監督、ダニエル・カルーヤ ジョディー・ターナー・スミス ボキーム・ウッドバイン クロエ・セヴィニー出演。

アンジェラ・ジョンソン:クイーン(ジョディ・ターナー=スミス)は犯罪者の弁護を専門にする弁護士だった。 そんなある日、彼女の弁護も虚しく、依頼人が死刑判決を受けてしまった。 クイーンは気分転換を図るために、Tinderで知り合った男、スリム(ダニエル・カルーヤ)とデートすることにした。 しかし、クイーンとスリムの会話はどうにも弾まず、ぎこちない雰囲気のまま2人は帰路についた。
道中、スリムがウィンカーを出し忘れたため、警官(スタージル・シンプソン)に車を止めるよう求められた。 スリムは警官に協力的な姿勢を取ったが、クイーンは「この程度のことで車内を捜索するのは不法行為だ」と抗議した。 スリムが警官に「外は寒いので、手早く捜査して欲しいのですが」と言ったところ、警官は苛立ち、スリムに拳銃を突き付けてきた。 クイーンは警官の暴挙をスマートフォンで録画しようとしたが、それに気付いた警官は彼女に向かって発砲した。 クイーンを守るべく、スリムは警官に向かってタックルし、揉み合いとなった。 その末にスリムは警官を撃ち殺してしまった。

監督はメリーナ・マツーカス、監督デビュー作ですね。
スリム役はダニエル・カルーヤ、「ブラックパンサー」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/15412477 出演していました。
クイーン役はジョディ・ターナー=スミス、初めて見る女優さんでした。

日本公開がスルーになった作品ですが、これは公開してほしかったですね。 黒人を主人公とした逃亡劇、劇中でもありますが、逃亡のところは「俺たちに明日はない」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/14212517 になんとなく似ていますが、この警官を殺してしまうところは、やはり現代のアメリカ社会に根付く、人種差別意識のドス黒さが根底になると思います。 それも警官が異様に黒人を毛嫌いしている、警戒していると言ってもいいのかもしれませんが、すぐに黒人に対して戦闘行動をとってしまうのはどうしてなんでしょうか?


特に今作の二人は普通の一般人であり、なぜそこまで威圧的にしていくのか? この殺された警官は前に黒人を射殺しているという前歴があり、どちらかというと不良警官だったようですが、この逃亡を選択したあたりから、もう二人に悲壮感と、悲しい結末が予想されます。 そこがなんとも悲しみを引きずっています。
しかし決して誰もが二人に対して、警戒、憎悪を抱くのではなく、擁護する人間、それも白人がいたのが多少の救いでした。