1970年作品、ベルナルド・ベルトルッチ監督、ジャン=ルイ・トランティニャン ドミニク・サンダ ステファニア・サンドレッリ ピエール・クレマンティ イヴォンヌ・サンソン エンツォ・タラシオ ジュゼッペ・アドバッティ出演。
1938年、第二次世界大戦前夜のイタリア。 哲学講師のマルチェロ(ジャン=ルイ・トランティニャン)は、友人で盲目のイタロの仲介でファシスト組織の一員となった。 13才の頃に同性愛者の青年リーノ(ピエール・クレマンティ)に襲われたマルチェロは、リーノを射殺してしまった。 それがトラウマとなっているマルチェロは、世間の波に乗ってファシズムを受け入れ、一般的なブルジョワ家庭の平凡な娘と結婚することで、特殊ではない自分を取り戻そうとしているのだ。 組織の一員となったマルチェロは、大学時代の恩師であり反ファシズム運動の支柱でもあるルカ・クアドリ教授(エンツォ・タラシオ)の身辺調査を任される。 彼は新妻ジュリア(ステファニア・サンドレッリ)を伴い、新婚旅行と称してパリへと旅立った。
パリでクアドリ教授に迎えられたマルチェロは、その美しい若妻アンナ(ドミニク・サンダ)に魅了される。 アンナはマルチェロが夫の身辺を嗅ぎまわっていることを警戒する一方で、彼を誘惑もする謎めいた女だった。 クアドリはマルチェロの正体を知ってか知らずか、「君はいつか自分の主義を捨てる日が来るだろうよ」と予言めいたことをつぶやく。 間もなく組織の指令は、クアドリの身辺調査から暗殺へと変わり、マルチェロの監視役として屈強なマンガニエーロ(ガストーネ・モスキン)という男が、ぴったり張り付くようになった。
監督はベルナルド・ベルトリッチ、「孤独な天使たち」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/10967248 が遺作となっていますね。
マルチェロ役がジャン=ルイ・トランティニャン、「愛、アムール」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/8899188 に出演でした。
アンナ役がドミニク・サンダ、「クリムゾン・リバー」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/5983656 に出演でした。
午前10時の映画祭の作品ですが、これも町山氏の解説付きなんで、ぜひ見なければということでした。
時代は第二次対戦中のイタリア、ムッソリーニのファジスト政権下ですね。 主人公のマルチェロはファシストの組織員となるんですが、だからと言って過激な行動を取れず、ただ世の中の風潮に流されているだけという感じの人間です。 でも組織から命令を受け、ある人物の暗殺を司令を受けるんですが。
町山氏の解説の中で、今のイタリア政権がこの時代のファシスト政権と似通っているんですね。 世界全体が民族主義、右化しているんですね。 そんな時ながされていく民衆、知らない間に変な方向に流されてはいけない、そんな警告のような作品でしたね。