レミニセンス - anttiorbの映画、映像の世界

2021年作品、リサ・ジョイ監督、ヒュー・ジャックマンレベッカ・ファーガソンタンディ・ニュートンクリフ・カーティス出演。

近未来の地球。　それは温暖化によって海面が上昇し、多くの陸地が水没してしまっていた。　フロリダ州の都市マイアミも、多くの場所が水没してしまっており、人々は堤防を築き、何とか都市として発展していた陸地の部分を守って暮らしていた。　マイアミでは日中は暑すぎて人々が生活活動をしづらくなっており、昼間に就寝し、夜間に活動する生活が一般化していた。
そんなマイアミの町の一角で、元軍人で戦争に参加した経験を持ち、今は退役しているニック（ヒュー・ジャックマン）という人物が特殊なビジネスを経営していた。彼は、人々の脳内に眠る記憶を鮮明に思い出せる機械を操り、顧客が望む記憶を体験しているかのように見せることが可能だった。　アシスタントで彼女自身も軍人であり、戦争経験者でもある通称ワッツというエミリー・サンダース（タンディ・ニュートン）と組んで、お得意さんである客に希望する記憶を見せていた。
ハンク（ハビエル・モリーナ）という車いすに乗る男性、彼はニックと同じ部隊で戦争に参加した傷痍軍人で、いつも両足を無くす前に飼犬と過ごした思い出を楽しんでいた。
また、エルサ（アンジェラ・サラフィアン）という女性は年齢の離れた初老の恋人との逢瀬のひと時を体験するために、ニックのもとに通っていた。　他にも恋人とのひと時を思い出すためであったり、赤ん坊時代の娘とのひと時を思い出すためであったりと、客によって希望する思い出を見せていたのだった。
そんなある日、閉店間際に一人の女性（レベッカ・ファーガソン）が店を訪れ、カギを無くしてしまい、そのありかを思い出したいためにニックの店にやってきた。　ニックはその女性を一目見て心奪われてしまう。
女性の名前はメイ。　とあるバーで働くシンガー兼ウエイトレスだった。
ニックは、彼女の記憶を見ながら、カギのありかを発見するが、ニックは、個人的興味を押さえることができず、本来仕事には関係のない記憶まで見入ってしまい、ワッツに注意されてしまうのだった・‥

予告編とはちょっと違った印象の作品でした。
監督はリサ・ジョイ、今までドラマを手がけていましたが初長編作品の監督となりました。
主演はヒュー・ジャックマン、「フロントランナー」　https://anttiorb.hatenablog.com/entry/15857899 に出演していましたね。
レベッカ・ファーガソンは、「ドクター・スリープ」　https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2019/12/20/060000 に出演しています。
タンディ・ニュートンは、「ジョン・Ｆ・ドノヴァンの死と生」　https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2020/03/30/060000 に出演していました。

物語は近未来、多くの都市は水没してしまい、富裕層は隔離され快適な空間に避難し、貧困層はいずれ完全に水没してしまう街に暮らす未来のない世界に変貌していました。そんな時に、いっときのいい思いに浸れる商売をしているニックとワッツ。　機械は旧式ですが、自分の過去の人生の思い出の場面に浸れる現実感のある思いができる機会を操ることができるニックは退役軍人の仲間のワッツと細々と生計を立てていました。
昔は警察の捜査に協力していて、今もたまに依頼を受けますが、新機種が出て、今はニックの力を借りたい時にしか依頼は来なくなっていました。
しかしお得意さんばかりの中、初めて利用する女性が現れます。　美しい彼女・メイにニックは心を奪われてしまいます。　依頼はうまくいきましたが、忘れ物をした彼女を追ってニックは彼女が働いている場所に行き、二人は恋に落ちますが。

今作は近未来設定ですが、ラブストーリーでしたね。　推理サスペンスの要素もありますが、儚い恋のお話、悲しい結末でしたね。　しかしこういう機会ができたら、過去に浸ろうとする人間は多いことでしょう。