2019年作品、アントワーヌ・ランボー監督、マリナ・フォイス オリヴィエ・グルメ ローラン・リュカ ジャン・ベンギーギ出演。
2000年2月、フランス南西部トゥールーズ。 スザンヌ・ヴィギエという38歳の女性が、3人の子供を残したまま忽然と姿を消した。 スザンヌの遺体が発見されてもいない中、夫ジャック（ローラン・リュカ）に殺人容疑がかけらルが、明確な動機がなく、決め手となる証拠もみつからない。 ジャックは第一審で無罪となるが検察はすぐさま控訴。 重罪院で、再び殺人罪を問う裁判が行われることとなってしまう。 妻が失踪してから10年の月日が経っていた。
シングルマザーのノラ（マリナ・フォイス）は、ジャックが無罪だと確信しており、ジャックの子どもたちの支援をしていた。 彼女は一審の裁判の内容をまとめたものを弁護士デュポン＝モレッティ（オリヴィエ・グルメ）に持ち込み、ジャックの弁護をしてくれるよう懇願する。 デュポンは本当に望むのならジャック自身が依頼すべきだと応えるが、ノラはジャックはノイローゼになっており、代わりに自分が頼んでいるのだと応える。
ジャックとどういう関係かと問われたノラは、ジャックの娘のクレマンス（アルマンド・ブーランジェ）が自分の息子の家庭教師をしてくれているのだと応える。 最初は忙しいと断っていたデュポンだったが、ノラのまとめに目を通し、引き受ける決意をする。
デュポンは事件関係者による250時間にも及ぶ“電話の通話記録”のカセットテープをノラに手渡し、分析するよう求めた。 膨大な上に大変責任のある仕事でもあり、ノラは躊躇するが、デュポンを説得した手前引くに引けず、分析を引き受けることとなった。 これらのデーターは一審では全く採用されなかったものだったが。 ノラは息子とスキーに行く約束をしていたが、とても時間的に無理だと判断し、友人に息子を預けることにした。
250時間の電話記録を調べるうちに、ノラはスザンヌの浮気相手であるデュランデ（フィリップ・ウシャン）がスザンヌがいなくなったのは夫が彼女を殺害したからに違いないと、自身の知人やジャックが教鞭をとっている大学の学生などに電話でいいふらしていたことが判明する。 デュランデは相手にこのことを言いふらすようにすすめていて、相手が心配すると「『夫が殺した』じゃなく、『殺したと思う』といえば名誉毀損にはならない」と言いくるめていた。 デュランデはマスコミとも連絡を取り、情報を流して記事を書かせていた。 ノラは重要だと思う会話をピックアップし、公判のたびにデュポンに手渡し、二人三脚でことにあたっていた。
一応現実にあった話がベースになっている作品です。
監督はアントワーヌ・ランボー、これが長編デビュー作になっています。
ノラ役はマリナ・フォイス、「シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/2019/08/05/060000 に出演していました。
モレッティ弁護士役はオリヴィエ・グルメ、「午後８時の訪問者」 https://anttiorb.hatenablog.com/entry/14858704 に出演していました。
物語はある家庭の主婦が消えた事件で、夫が疑われます。 殺して遺体をどこかに隠したという嫌疑がかかりますが、一審は無罪でした。 しかし検察はしつこく控訴します。 シェフとして働いているノラはシングルマザーですが、息子の家庭教師のクレマンスの父が、有罪にされそうになっているということで、なんとか新しく力強い弁護士のモレッティに直談判に行きます。
初めはどうして自分なのか？ そして裁判官と相性が悪いということで拒否されますが、彼女の作った資料に目を通し、引き受けてくれることに。 しかしそのために彼女は当てにされ、時間のやりくりに苦労していくことになっていきます。 しかし調べるほどに、真犯人らしき人間が浮き上がっていきます。
今作は、フランスで多い行方不明事件。 蒸発がベースになっているお話で、実際に起こった事件、裁判を取り上げています。 あくまでのジャックの無実を証明することが裁判の本筋であり、真犯人を見つけることではありません。 しかし、怪しいのは妻の浮気相手であり、証言を強要した人物が出てきます。
検察は裁判に負けることを恥としており、ジャックが犯人だという視点で推測を積み上げていき、陪審員たちにイメージを植え付けていくんですね。 しかし最後のモレッティ弁護士の最終弁論は迫力がありました。
ジャックの弁護をするモレッティ
ノラにテープの解析を依頼する
限られた時間を解析に費やすが
証人に呼ばれた女性
妻の浮気相手に証言するよう強要された
そして最終弁論で
