2017年作品、フォン・シャオガン監督、ホアン・シュエン ミャオ・ミャオ チョン・チューシー ヤン・ツァイユー出演。
1976年、17歳で舞踊班へ入団した何小萍(ミャオ・ミャオ)は、劉峰(ホアン・シュエン)に連れられ文芸工作団にやってくる。 小萍は労働改造所にいる父に軍服姿を見せようと、同室の丁丁(ヤン・ツァイユー)の軍服を黙って借りて写真館に向かう。ある日、淑雯(リー・シャオファン)が写真館に飾られた小萍の軍服写真を見つける。小萍は淑雯らに問い詰められ、穂子(チョン・チューシー)はその光景をただ見つめていた。
1978年、美術班の修理係になった劉峰が、名誉回復した穂子の父からの荷物を穂子に渡す。 小萍は自分の父も解放される日が来ると希望を持つが、政治委員は劉峰に、小萍の父が病死したことを伝えるよう告げる。
穂子たちは陳燦(ワン・ティエンチェン)が持ってきたカセットレコーダーでテレサ・テンの曲を聴く。 劉峰は丁丁に秘めていた想いを告白し、彼女を抱き寄せる。 現場を目撃した男性団員たちは模範兵を汚したと丁丁を責める。 劉峰は伐採部隊へ異動させられる。
ある日、慰問中に主役のダンサーが負傷し、衣装班へ異動していた小萍が代役を命じられるが、拒否する。 しかし無理やり舞台へ担ぎ上げられ、その後、野戦病院に異動することに。
1979年、中越戦争勃発。 小萍はベトナムとの国境線で負傷兵の看護に従事する。一方、最前線に送られた劉峰は、右腕を失ったものの死は免れる。 小萍のもとに、負傷兵の取材を命じられた穂子が訪れる。 小萍は丁丁への伝言を残す。 野戦病院が爆撃され、精神病院に入院した小萍を劉峰が訪ねる・・・
中国の近代史に重ね合わせた、青春映画でしたね。
監督はフォン・シャオガン、作品を見るのは初めての監督のようです。
主演の何小萍役はミャオ・ミャオ、今作が初めての日本公開出演作です。
ホアン・シュエンは 「空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15402154.html では重要な役どころでした。
物語は、中国の近代史ですね。 毛沢東政権の末期、中華人民共和国が、ようやく軌道に乗ってきたとき、日本で言う富国強兵のときであり、文芸工作団というのは、軍の中の歌、ダンス、楽隊を極め、士気を上げる役目をする存在です。 もちろんここに入団するには審査があるんですが、また強力なコネが必要です。
そして彼女は、そこは少し工作をして何とか入団してくるんですが、それは上層部と劉峰のみが知っています。 張り切ってる彼女ですが、何とか軍に入り、その姿を実父に見せたい一心でした。
彼女は父がどうやら政治犯で捕まっているようで、母は再婚して義理の兄弟や、また義父からもいじめられているようでした。 ここにくればいじめられない、でも彼女の期待とは裏腹に彼女はここでもいじめが始まります。 彼女にも責任が多少ありますが、彼女は臭いと言われてしまうんです。 人一倍汗かきの彼女は、体質なんですね。
今作は、初めは青春ドラマの感じですが、中越戦争のシーンは悲惨なんですね。 場面が一変して、中国とベトナムの激しい戦いは初めて見ますね。 過酷な戦い、まだ中国は安定していない時代であり、ベトナムという強国はアメリカさえにも屈しなかった手強い国、若い命が散っていき傷ついていく、しかしそれを踏まえた現在があるのかもしれません。
未来を夢見て彼女が入団してくる
楽しい舞踊班生活があると思っていた何小萍
そして恋も
劉峰だけが彼女に優しかった
しかし彼は前線に送られる