小学生の宗吾(荒木飛羽)は帰り道に友だちとキャッチボールをしながら下校していた。 ところがそのボールが一軒の家に。 その家は門扉に人魚が施されていた豪華な邸宅で、庭には子どもたちの遊び道具で溢れていた。 そして、そこに一人の少女が眠っていた。
その数か月前、薫子(篠原涼子)と和昌(西島秀俊)は、愛娘瑞穂のお受験の面談の模擬試験を受けていた。
そこに薫子の母:千鶴子(松坂慶子)から瑞穂がプールで溺れ、意識がないという一報が飛び込んできた。 瑞穂は弟の生人(斎藤汰鷹)と従姉妹の若葉(荒川梨杏)、薫子の妹の美晴(山口紗弥加)たちとプールに出かけていまたが、そこで溺れてしまったのだった。
医師の進藤(田中哲司)は、薫子と和昌に瑞穂が脳死状態にある可能性があることを伝える。 そして、臓器移植の可否を訪ねてきた。
一度はそれに同意した二人、和昌の父多津朗(田中泯)も駆け付けた中で瑞穂の最期を看取ろうということになった。
その瞬間、瑞穂の体が一瞬動く。 いわゆるラザロ現象(脳死状態の体、不確定要素で瞬間的に反応する現象)だという進藤の説明を振り切って、薫子は瑞穂の延命を決断するのだった・・・
人間の死はどこからなのか? その問題を描いた作品でした。
監督は堤幸彦、近作は 「RANMARU 神の舌を持つ男」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14603281.html となります。 テレビシリーズにしたほうがいい作品でしたが。
主演は篠原涼子、映画近作は 「SUNNY 強い気持ち・強い愛」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15665092.html でした。 韓国リメイクですがよく出来ていました。
そして西島秀俊、「オズランド 笑顔の魔法おしえます。」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15743816.html が近作ですね。NHKテレビでは 「満願」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15723013.html にも主演をしていました。
物語は、ここから起きる可能性がほとんどない娘との生活になって行きます。 ラザロ現象というのは罪な動きですね。 周りの人、今作では母親ですが、最後のお別れの時にそれが起きたことで、生きている、もしかしたらの思いになってしまうんですね。 でもそれは親なら仕方がない、止められないです。
さらに、和昌の会社ではロボットの研究をしていました。 そしてその技術で、娘の生活に取り入れられる技術があったことから、それが取り入れられていきます。 その技術者が星野祐也でした。
ロボット技術の応用で、瑞穂の体を動かす事によって、筋肉が活性化され、代謝がよくなるという現象でした。 しかしだんだんと社長の公私混同が取りざたされていくとともに、薫子の謎の行動も浮き上がってきます。
今作は、脳死の問題に大きく入り込んでいます。 脳死と判断をするのは難しい。 考えられるということで家族の承認が必要なんですね。 しかしそこから生かすのか? それとも死んだと判断して臓器提供をするのか? さらにここで家族の判断が下されます。
心停止をもって “死” と判断されるのが日本の通例ですが、最近は脳死と家族が認めれば死ということもあるようですね。 延命治療を打ち切るということです。
この作品ラストは母の薫子が納得できる形になっています。 魂はまだとどまって、母にお礼を言ってくれる、そんな瑞穂の優しさなんだと解釈したいですね。
優しい少女だった瑞穂
お受験の模擬面接のときに舞い込んだ悲劇
意識が戻らない瑞穂にある技術が
星野の研究が採用される
そして恋人の真緒もそっちのけになっていく