anttiorbの映画、映像の世界

不定期で、旅ブログも立ち上げます!

野のなななのか

2014年作品、大林宣彦監督、品川徹 村田雄浩 松重豊 窪塚俊介出演。

雪降る冬の北海道芦別市。 風変わりな古物商 “星降る文化堂” を営む元病院長、鈴木光男(品川徹)が他界する。 3月11日14時46分、92歳の大往生だった。
告別式や葬式の準備のため、離れ離れに暮らしていた鈴木家の面々が古里に戻ってくる。 光男の妹・英子(左時枝)は82歳。 光男の2人の息子はすでに他界し、それぞれ孫が2人ずつ。 長男の長男、冬樹(村田雄浩)は大学教授。 その娘・かさね(山崎紘菜)は大学生。 長男の次男・春彦(松重豊)は泊原発の職員で、その妻が節子(柴山智加)。
気難しい光男と “星降る文化堂” でただ1人、一緒に暮らしていた孫のカンナ(寺島咲)は次男の娘で看護師。 その兄・秋人(窪塚俊介)は風来坊。
そこへ突然、謎の女・清水信子(常盤貴子)が現れる。 「まだ、間に合いましたか?」 そう言って現れた。
不意に現れては消える信子によって、光男の過去が次第に焙り出される。
終戦が告げられた1945年8月15日以降も戦争が続いていた樺太で、旧ソ連軍の侵攻を体験した光男に何が起きたのか? そこには、信子が持っていた1冊の詩集を買い求めた少女・綾野(安達祐実)の姿もあった。 果たして信子と綾野の関係は?明らかになる清水信子の正体とは? 生と死の境界線が曖昧な “なななのか(=四十九日)”の期間、生者も死者も彷徨い人となる。
やがて、家族や古里が繋がっていることを学び、未来を生きることを決意する・・・

前作「この空の花 長岡花火物語」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15575129.html を受けての反戦映画となっている今作、タッチは似ていますね。
大林監督作品は、昨年末に新作公開合わせてCSで多く放送さ れましたが、今作は劇場で見逃した作品となりました。
主演は品川徹となるでしょうか。 彼が亡くなったところから物語は始まって行きます。 大ベテランの俳優さんの主役起用は、監督ならではでしょうか。
そして常盤貴子、彼女が謎の存在として今作の重要な役どころですね。
進行は寺島咲が進めていく感じですね。

物語は、生前の鈴木光男を振り返りながら、彼の若い頃の記憶に迫っていくお話です。 病院を辞めた後、記念館のような古物商を始めた光央、名前が “星降る文化堂” という粋なネーミングなんですね。
この作品のテーマは前作に引き続き反戦となっていますが、あまり多くが語られていない、第二次大戦直後の戦闘を語っていますね。 今の北方領土樺太に迫るソ連軍とは、8月15日以降もいったん解除した武装を再びし直し、ソ連の本土進行を食い止めた有名な戦いが、触れられています。
当時ソ連は、北海道に攻め入り、北海道を朝鮮、ドイツのように分割統治しようとしていたのは有名な話ですね。
しかし日本軍がなんとか押し返している間に米軍が到着、北海道は日本に留まったという事に触れられています。
日本側から言えば、日ソ不可侵条約を破棄して一方的に参戦してきたソ連に対しては、恨み骨髄ですが、記憶のどこかで日露戦争の屈辱がやはりあったんでしょうかね?
前作ほどではありませんが、今作もセミドキュメンタリータッチになっています。 戦争が迫りくるような今の時代、大林監督が一生懸命警笛を鳴らしているような気がしてなりませんが。

イメージ 1
危篤になった光男

イメージ 2
駆けつけた信子

イメージ 3
彼女はいったい誰なのか?

イメージ 4
まだ病院をしていた頃

イメージ 5
そして語られる戦争体験

イメージ 6