anttiorbの映画、映像の世界

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1408号室


マイク・エンズリン(ジョン・キューザック)の処女作 『長い帰り道』 は父と息子を描いた人間味ある作品で、妻・リリー(メアリー・マコーマック)と娘・ケイティ( ジャスミンジェシカ・アンソニー)とアメリカ・NYで幸福な暮らしをしていた。
しかし幼い娘を病気で亡くしたマイクは、妻・リリーに何も告げずに家を出て、以来全米各地の心霊スポットを訪問して取材しては、本にする仕事をし始めていた。
ある大雨の夜、マイクは道に迷いながら “ウィーピング・ビーチ・イン” というフェアフィールド郡境の近くの僻地にある、古いホテルに行く。 ホテルのオーナーである老夫婦は、マイクを歓待する。
マイクが取材話を持ちかけると、老夫婦は競って話を始めるのだった。 ホテルの階段で1860年にメイドが首を吊り、元々は使用人の部屋だった屋根裏では、メイドの子どもたちが全員死んだとか、以来、深夜12時ぴったりに女性の泣き声がするとか、1986年に客が心霊写真を撮ったとかだった。
それを聞きながら、内心マイクはうんざりしていた。 あまりにも 「よくある話」 だったから。
それでもホテルに宿泊し、いつも持ち歩くテープレコーダーに淡々とレポートを録音したマイクは、幽霊が出るかと確認もするが、何事も起こらないまま晴れた朝を迎えた。
ホテルをチェックアウトしたマイクは、マイクなりの恐怖度ランク “6ドクロ”  と評しかけて “5ドクロ” に訂正した。
『幽霊ホテル10』 『幽霊墓場10』 『幽霊灯台10』 『幽霊サバイバル・ガイド』 たくさんの本を出したが、マイクにとって心霊スポットは単なる仕事の取材場所で、幽霊が出るなどという噂は、ホテルが客寄せにするものなのだと思っている。
マイクはあの世とか天国とか地獄とか神とか幽霊とかいった存在を、マイクは信じていない。 現在マイクはLAのハモサビーチ近くに住んでおり、昼間はよくサーフボードをしていた。
ある日マイクは頭上に宣伝ののぼりを掲げた飛行機を見つけ、宣伝の文字を読もうとした瞬間に波に呑まれて溺れる。 他の男性海水浴客が駆け付けてくれ、郵便局に行ったマイクは、顔なじみの郵便局員にあいさつしながら自分用の郵便受けを受け取り、カフェで郵便物をチェックした。
その中に、ある絵葉書が届いていた。 そこには 「NYドルフィンホテル1408号室に入るな」 という文字だけが書かれていた。 試しにホテルに電話をして宿泊予約を入れようとしたマイクは、日にちを言う前から 「ふさがっております」 と断られてしまう。
不思議だと思ったマイクが新聞記事を調べると、そのホテルの1408号室には 「ホテルの窓から投身自殺 1938年12月6日」 など、変死の相次ぐ部屋だった。  俄然、やる気を出したマイクは友人のサム(トニー・シャループ)に電話し、クレイ弁護士(ベニー・ウルキデス)を紹介してもらって 「ホテル側は宿泊の拒絶はできない」 ことを聞き、それでも宿泊拒否をするようなら訴えるぞと脅せと教わって、強引に宿泊予約を取りるのだった
友人のサムはマイクを心配した。 ホテルがあるのはNY…娘・ケイティが死んだ土地だからだった。 マイクにとって娘の死はそれほどショックだった。 マイクは 「短い滞在だから大丈夫」 と答えて、NYのドルフィンホテルに向かう。
受付でマイクの応対をしたフロントの女性は、パソコンに 「支配人に連絡すること」の赤い文字が出てきて奥に引っ込み、オリン支配人(サミュエル・L・ジャクソン )を呼ぶ。
オリン支配人はマイクを支配人室に通すと、とにかく1408号室に泊めたくないという最後の抵抗をした。 年代物のコニャックで気をそらしたり、スイートを用意するからそちらに泊まれと言ったりする。 マイクがそれでも1408号室に頑として泊まると主張すると、オリン支配人は今度は脅しにかかる。
ドルフィンホテルはホテルプラザほど一流ではないが上流の部類に入る格調高いホテルで、常に宿泊予約は9割方埋まっていた。 怪奇現象を売りにして客を呼ぶ必要はないのだった。
オリン支配人は 「私の在職中に宿泊客が4人は死んだ」 と告げ、そ の後、宿泊予約を禁止したことをマイクに告げるが、とうとうマイクがその部屋に泊まるのだった…

監督はミカエル・ハフストローム、「大脱出」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/10941367.html を見ていますが、作品はあまり多くはないですね。
主演はジョン・キューザック、近作としては 「セル」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14754140.html となります。 変わった作品でした。
そして妻役でメアリー・マコーマック、「34丁目の奇跡」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/10827781.html に出演していました。

物語は、子供を失った作家が味わう超常現象のお話ですね。 絵にかいたような幸せな3人家族だったマイクでしたが、子供を失ってから、妻のもとを離れ、ちょっと傍から見ると偏った仕事を始めました。 もしかしたら、ケイティの死が影響したのか、心霊現象のあるところ出かけて行き、それもどれもが眉唾で、それを本にするという作家からルポライターに転じているんですね。
もちろんそんなことを繰り返していくと、性格も偏って行きますが、そんな彼のもとに、挑発をするような手紙が届くんですね。 今回もどうせ・・・と思っていたマイクですが、今回だけは筋金入りの部屋でした。
怪しい支配人が頑強に抵抗しますが、それでもホテルに泊まることにこぎつけるマイク、しかしもう部屋に入ってすぐに始まって行きます。 そしていきなりデジタル時計付きラジオが、1時間のタイマーになります。 そう1時間この部屋で耐えきれるかということを意味しているんですね。
今作で面白いのは、地縛霊がいる部屋で、あっさり道連れにしないところですね。 そしてどんどんエスカレートしていく現象なんですが、どうして彼が生かされているかにだんだん傾斜していくところですね。
実は、ちょっとしたドラマにもなっている。 ドラマ性を取り入れたホラー、キューザックとサミュエル起用がしっかりしている作品でした。

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妻と娘との生活だったマイク

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しかし今は別居、そしてこのホテルに

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怪現象は起こるのか?

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しかしここはとんでもない部屋だった

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そして死んだはずの娘が・・・

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