anttiorbの映画、映像の世界

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ベロニカとの記憶


アンソニー・ウェブスター=トニー(ジム・ブロードベント)はロンドンでカメラ店を経営しながら、慎ましく暮らしていた。 ある日、元妻のマーガレット(ハリエット・ウォルター)に頼まれて、トニーは娘のスージー(ミシェル・ドッカリー)と一緒に妊婦向けの講義に出ることとなった。 
スージーを家に送り届けた後、トニーは数日前に受け取った手紙に目を通し始めた。 その手紙はサラ・フォード(エミリー・モーティマー)が住んでいた住所から送られてきたものだった。 サラはトニーが学生時代に交際していた女性:ベロニカの母親であった。 手紙を読むと、亡くなったサラはトニーに500ポンドを遺贈する心積もりだったらしい。 トニーは40年以上前に数回会っただけのサラがな ぜ自分に財産を残したのか分からず、途方に暮れてしまった。
昼食中、トニーはマーガレットにサラと自分の関係について語り始めた。 トニー が楽しそうに思い出話をするので、マーガレットは 「まるでどちらかと一夜を共にしたみたいね」 と冗談を言った。 トニーはそれを否定した後、10代の頃の思い出話を始めた。
第6学年の頃、トニー(ビリー・ハウル)はハンサムな青年だったが、自意識過剰なところがあった。 ある日、トニーとその2人の親友はエイドリアン・フィン(ジョー・アルウィン)を自分たちの仲間に迎え入れた。 フィンはとても知的な青年で、教師たちと頻繁に議論をしていた。
その後まもなくして、クラスメートのロブソンが自殺したという知らせが届いた。 ロブソンは恋人を妊娠させたことを苦にして自殺したのだという。 アルベール・カミュの哲学を手引きに、トニーたちは自殺の哲学的な意味について議論した。 その結果、ロブソンが自死を選んだのは正当ではないという結論が出た。
高校卒業後、フィンはケンブリッジ大学に進学し、トニーはブリストル大学に進学した。 トニーは大学で出会ったベロニカと交際を始めた。 しばらくして、ベロニカはトニーを家族に紹介した。 ベロニカの父親:デヴィッド(ジェームズ・ウィロビー)と兄:ジャック(エドワード・ホルクロフト)はやや不躾な態度でトニーに接したが、徐々に打ち解けていった。
ところが、予期せぬ事態が発生した。 ベロニカの母親であるサラがトニーに惹かれたらしく、露骨に誘惑し始めたのである。 夕食の席で、トニーはケンブリッジに通うジャックにフィンのことを尋ねたが、彼は会ったことがないと答えた。 その夜、トニーはベロニカのことを思いながら自慰をした。
翌朝、トニーが目を 覚ますとベロニカがジャックやデヴィッドとともに散歩に出かけたことを知った。 その結果、トニーはサラと2人きりにな ってしまった。 朝食中、サラは再びトニーを誘惑し、「ベロニカの本性に気を付けなさいよ」 と言ってきた。
内心不快ではあったが、トニーはその場を適当にやり過ごした。 別れ際、サラは妙な手ぶりでトニーを見送った。 トニーはそれが何を意味するのか分からなかった。
トニーが大学に向かうと、そこには彼の旧友たちがいた。 トニーとベロニカは彼らと楽しいひと時を過ごした。 ところが、その後、ベロニカが突然別れを切り出してきた。 ベロニカの心変わりの理由が分からなかったトニーだったが、フィンから 「ベロニカと付き合い始めた」という手紙を受け取って憤激した。
トニーは怒りを抑え込もうとしたが、ついにコントロールできない状態に陥り、「君のお母さんに言われた通りだった。 君の本性はとんでもないものだ。」 という主旨の手紙を書いてしまった。 さらにはベロニカとフィン宛に 「君たちが子供を作ることを願っているよ。その子は君たちの罪の代償を払うことになるだろうからね。」 というおぞましい手紙を書いて送付するに至った。
数年後、トニーは第6学年時代の親友と再会し、2人からフィンが自殺したと知らされる。 2人の話を聞くに、交際当初はとても幸せそうだったのだという。 トニーは 「フィンがベロニカと知り合ったのは、お兄さんを介してのことだろう。 お兄さんもケンブリッジに通っていたはずだ。」 と言ったが、2人はどうにも納得していないようだった。 その後、3人はそれぞれ別の道を歩むことになった。 トニーはマーガレットと出会い、結婚することになった 。
物語は再び現代に。 サラの弁護士の下を訪れたトニーは、そこで古い日記を渡された。 その日記はフィンが書いたものだった。 その日記には驚くべき真相が綴られていた・・・

シャーロット・ランプリングのまた怖い表情が見れる作品ですが、男って本当にこういう生き物なんだとふたたび反省した作品でした(^^)
監督はリテーシュ・バトラ、インドの監督ですが、「めぐり逢わせのお弁当」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/12539292.html を見ています。 良い作品を作りますよね。
主演はジム・ブロートベント、近作は 「パディントン2」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15342722.html ですね。
そして若きトニーにビリー・ハウル、映画は初出演でしょうか。
ベロニカにシャーロット・ランプリング、近作は 「アサシン クリード」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14786462.html にちょこっと出ていますが、「さざなみ」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14422607.html の演技が凄かったです。
若い頃の彼女はフレイア・メイヴァー、「セザンヌと過ごした時間」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/15188636.html に出演していました。

物語は、バツ一ながら、比較的良好な元妻と娘との関係を保っているトニーのところに来た1通のサラの死の知らせでした。 それはある日記で、しかしそれを持っているのが娘のベロニカであり、彼女が渡すことを拒んでいるという事でした。
サラとベロニカ、そして学生時代のフィン、そして悪友たち、彼の記憶は美化した物になっているんですね。 しかしだんだんと思いだしていく真実、でもなかなかわからないのが、ベロニカの母の日記をどうして娘がトニーに渡すのを拒むのかという謎ですね。 そしてとうとう姿を現すベロニカ、もちろん彼女は大きな壁を作りながら彼に接し始めるんですが。
謎解きを主体に進んでいくお話ですが、やはりシャーロットが出て来るところで緊張感が走りますね。 対照的に元妻役のハリエット・ウォルターがだんだん優しくなっていきます。
娘の出産の話も並行して描かれる、今まで都合よく生きてきたトニーの人生のやり直しの話でした。

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カメラ店を営んでいるトニー

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娘の出産が近づいている

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トニーは昔、ベロニカの家に招待され

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そして彼女の母と出会う

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そしてベロニカと再会するが

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