anttiorbの映画、映像の世界

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ちょっと今から仕事やめてくる

2017年作品、成島出監督、工藤阿須加福士蒼汰出演。

入社1年目の青山隆(工藤阿須加)は、一人暮らし。 アパートの部屋は片づける気力もないのか、ゴミの山だった。 実家から母親(森口瑤子)が送ってくれる果物は手をつけず腐っている。 そしてたまにかかってくる電話に対しても、忙しいと言って冷たくあしらってしまう隆だった。
彼の会社は、厳しいノルマを課せられ、精神的にきつい、いわゆるブラック企業だった。 入りたての彼はまだ全く戦力にならず、新規の契約は取れない状態。 他の先輩の先を少し担当している程度だったが、部長の山上(吉田剛太郎)からは辛く、毎日怒鳴られていた。
追い詰められていた隆は、残業代もつかない長時間労働からの疲労から駅のホームで意識を失い倒れかかったところに、電車がやってくる。 はねられそうになった彼を助けたのは、ヤマモト(福士蒼汰)という謎の男だった。
「久しぶりやなあ!俺や!ヤマモトや!」、そういきなり言われた隆だったが、そのまま飲みに誘われついて行く。 ヤマモトは隆と幼馴染だというが、隆には全く覚えがない。 トイレに行くふりをして、彼は小学校の田舎の友人に確かめてみるが、確かに転校した “ヤマモト” という人間はいたと分かりホッとする。
大阪弁でいつも爽やかな笑顔を見せるヤマモトと出会ってから、彼は日曜日にアパートまで訪ねてくる。 それも玄関からではなく、木に登りベランダから大声で呼んでくる。 出かけようと言われついて行くと、食事をし、ネクタイを選んでくれる。 自分では絶対選ばないような明るい色を数本買わされ、まずは見てくれから変えて行こうと言われる。
そんな事から、隆はだんだん明るさを取り戻していき、営業のトップの成績の先輩社員・五十嵐美紀(黒木華)にも褒められる。 しかし二人で飲んでいるときに、この前の同級生から連絡が入り、あのヤマモトは今アメリカにいると告げられる。
タカシはお前は同級生ではないだろうと話すと、彼は本当はあの時、見間違いだと分かったと白状し、でもなかなか言うきっかけがなかったと詫びてきた。 それなら友達関係もなしかと聞かれた隆は、自分が楽しくなれたのは彼のおかげだと思い、改めてよろしくというのだった。 彼の名前は “山本純” といい免許証も見せてくれた。 若干違う風貌だったが、彼に間違いない感じがした。
しかしある日、いつもの明るいヤマモトとは別人のような姿を駅で見かける。 霊園行のバスに乗っていく山本。 隆は家に帰り、“山本純” で検索してみると、ヤマモトは3年前に自殺していたことがわかる。
そして上手く行きはじめた仕事でも大きな事件が起きるのだった…

予告編を見ると、心霊的な作品なのかな? と思いますよね。
監督は成島出、「八日目の蝉」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/5006305.html 「ふしぎな岬の物語」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/12270807.html 「ソロモンの偽証」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/MYBLOG/yblog.html?fid=0&m=lc&sk=0&sv=%A5%BD%A5%ED%A5%E2%A5%F3%A4%CE%B5%B6%BE%DA と見ていますが、私は今作が監督のベスト作品の様な出来だと思いました。
工藤阿須加君は、「アゲイン 28年目の甲子園」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/12640574.html 「恋妻家宮本」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14714319.html に出演、若い頃の姿をどちらも演じていました。
そして福士蒼汰くんですね。 正直彼は今まで苦手でしたが、前作の 「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14627704.html の主演で、「おっ!」と思いました。 変な癖が抜けてきて、いい味を出せるようになっていたから。 そして今作は良い役柄という事もあり、彼の転機になる作品な気さえしました。
物語はここからせっかく上昇して来た仕事でどん底まで隆が行ってしまいます。 そしてとうとうこの世の中と別れをしてしまう寸前まで行くんですね。 もちろんヤマモトが助けに行きますが、そこからがお話が盛り上がって行きます。
この作品、工藤君演じる隆と、対象的な超ブラック上司の山上のコントラストが秀逸でした。 そして五十嵐女史(^^)、このトンデモ会社の位置づけが、ヤマモトと隆をグッと引き立てているんですね。
これは上期の邦画の今のところベスト作品になりました。

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ここしか内定が出なかった隆、ブラックだった

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そんな時、駅で落ちそうになった彼を助けてくれた“ヤマモト”

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だんだん彼の明るさに影響されていく

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そして先輩に怒らしに励まされる

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しかし重要書類でミスをする隆

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せっかく取った大きな仕事をフイにしてしまう

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