anttiorbの映画、映像の世界

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放送禁止5 しじんの村

2006年作品、長江俊和監督、しいたけお、栗山かほり出演。

2004年10月。
長野県の某所にある、集団生活をしている人たちの 「むら」 での出来事。
その日はその村でのバーベキューパーティーの日であった。 バーベキューをする人々、若者から中年、老人、男女さまざまな人たちがここで共同生活をしているという。 その村の名前を 「しじんの村」 という。
「しじんの村」・・・いじめ、リストラなどで疎外され、心に深い傷を持った人たちが集団生活して社会復帰を目指す施設である。 この施設を私財までなげうって3年前に設立したという 「しじんの村」 村長の久根仁さん(通称:しじん)はこう語る。
「よく誤解されるのですが、宗教的な意味や、政治的な意味合いはなく、ただ社会の中で適応できない弱い人たちガ集まる場であり、そういう人たちが社会に戻っていくのに 必要なものを与える場である」と。
教師時代に教え子であったTさんを自殺で失って以来、そのむなしさから 「現行の教育制度の物足りなさ」 もあり、設立したという。
この村のおきてとして、人たちは本名ではなくインターネットのハンドルネームのように、通称で呼び合うことになっている。 リストラで社会からはじかれてしまったシュウさん、いじめで引きこもりになってしまったウッチー君、大切な人を失って自暴自棄になり、いまだに忘れていいことかわからないというフクさん。 いろいろな立場の人間が生きようとして必死で生きている。
ほとんどの人たちが社会復帰をしているしじんの村ではあるが、中には突然村から消えるものや、自らの命を絶つものもいるという。
取材陣は驚くべき光景に遭遇した。 村人たちが、ある木の もとに集まる。一体何があったのか? 取材陣のカメラはある女性が横たわっているのを写した。彼女は首吊り自殺をしようとしたのだ!!
彼女の名前はハニコ(通称)さん。 「死にたい。」涙ながらに語る彼女はなぜ・・・

今作は世の中からはじかれた人たちが集まる集落のお話でしたね。 通称 「しじんの村」、ここに集まってくる人たちは基本もう社会から逃れたい、自分の素性もできれば明かしたくない、本当は自分という存在を消したいという人間たちばかりなんですね。
ここでのリーダーというか世話役の人が通称:しじん、詩人から来ているようで、部屋のあちこちに、ここに来た人たちを励ますような詩が墨で書かれて貼ってあります。
もちろんここで気持ちを立て直して、社会に復帰していくのが一番いいんですが、やはり不幸にもここで命を絶ってしまう人間も出てきます。 過去にもポツリポツリとそういう人もいたという事が取材に中で明かされていき、しじんは苦悩の表情を浮かべていくんですね。
実際こういう弱者救済のコミュニティはあるんでしょうか? 環境こそ自然に囲まれ、都会の喧騒から離れた良い環境に見えますが、果たしてそうなのか? 逆に深い悲しみを持った人間が最後に行きつくところでもある気もしますが、実はそれが現実になって行きます。
もちろんもっと闇の真実が浮き上がってくるのがこのシリーズ。 それはここでのハンドルネームにヒントがありました。

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その日はバーベキューの日だった

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“しじんの村”の村長

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朝は皆で朝食

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ここにたどり着く人はいろいろな境遇な人がいた

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しかし命を絶つ人も…

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