2016年作品、アリエル・ヴロメン監督、ケビン・コスナー主演。
CIAロンドン支局のエージェント、ビル・ポープ(ライアン・レイノルズ)は何者かにつけられていた。 彼の持っているバッグには大金が。
ロンドン支局に危険を知らせると、支局長のクウェイカー(ゲイリー・オールドマン)は、ある倉庫に行くように指示を出し、そこに武装部隊を救援に向かわせる手を打つ。 指示を受けた場所をスマホに示し、タクシーの運転手にナビとして使わせる。しかしいつの間にかハッキングされ、別の地点に誘導されてしまうのだった。
そこに現れた謎の集団に彼は銃撃戦の末に捕まり拷問を受ける。 おびただしい電気ショックの末、とうとう彼は駆けつけたCIA部隊の救助も間に合わず死んでしまうのだった。
それを知った支局長のクウェイカーは動揺を隠せない。 ビルは米軍のあらゆる兵器を思うがままに遠隔操作し、核ミサイルさえも発射できるプログラムを持つ謎のハッカー、ダッチマン(マイケル・ピット)の居場所を知る唯一の人物だったのだ。
世界の秩序を守るために何としてもダッチマンを捜し出し、恐るべきプログラムを回収する必要に迫られたクウェイカーは、記憶の移植実験を研究中の脳外科医フランクス(トミー・リー・ジョーンズ)に協力を要請する。
フランクスがビルの記憶を移植する相手に選んだのは、アメリカ国内で収監中の死刑囚ジェリコ・スチュワート(ケヴィン・コスナー)。 幼い頃、父親の虐待によって脳の一部を損傷したジェリコは、他者への思いやりや罪悪感といったあらゆる感情を失っており、彼の未発達の脳は新たな記憶を植え付けるのにうってつけだった。
クウェイカーは意識を取り戻したジェリコからダッチマンの情報を聞き出そうと執拗な尋問を行うが、自分の置かれた状況を把握できないジェリコは、しきりに頭の痛みを訴え、「何も思い出せない」 とつぶやくばかり。 手術が失敗したと判断したクウェイカーは、部下に用済みとなったジェリコの始末を命じる。 ところがジェリコは車での移送中に暴れ、自分の死を偽装して逃走に成功した。
それはまさしくフランクスが移植したビルの記憶の断片だった。 その記憶に導かれるようにしてロンドンの住宅街にあるビルの自宅に忍び込んだジェリコは、彼の美しき妻ジル(ガル・ガドット)をビニールテープで拘束するが、奇妙な懐かしさを伴う切ない感情がこみ上げてきて、わずかな金品のみを奪ってその場を立ち去る。
その後もジェリコの脳裏にはビルの記憶が次々と甦り、自分自身とビルの記憶の狭間で引き裂かれたジェリコは、頭部の痛みに耐えかねてフランクスに助けを求め、「ビルの人格が君の行動に影響している。 あと48時間でビルの記憶は消えるだろう」 と告げられる。 そしてクウェイカーに拘束されたジェリコは、大金と引き替えにダッチマンの捜索に協力することになった・・・
記憶が移植されることが現実にできるのか? また映像化することが可能なのか?この作品は前者のお話ですね。
監督はアリエル・ヴロメン、作品を見るのは初めてですが、過去作は面白そうですね。 主演はケビン・コスナーになるんでしょう。 近作は「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14011774.html になりますが、主演としては 「ドラフト・デイ」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/12679800.html 「ラストミッション」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11792716.html となりますね。
ビル・ポープ役のライアン・レイノルズはほとんど序盤でいなくなり、たまにショットで映るだけになりますね。 カメオ的な出演です。
物語はいきなり主役の死? という感じで始まりますがそうではなく、彼の記憶が移され、移された死刑囚が主人公になっていきます。 しかし障害によりまともに善悪の判断が着かないジェリコ。 生存本能だけで生きている彼にとって人を殺すこと、モノを食う事、障害を除去することに躊躇いは無いんですね。
しかしビルの記憶が入ってくるだけでなく、彼の人間性までも移植されることによって、だんだん善悪の判断、人間としての愛情、悲しみ、慈しみ、それが一気に芽生えてきて、死刑囚からだんだんとヒーローに転じていくんですね。
これはなかなか面白い設定、ただ62歳のケビン・コスナーが演じることにちょっと違和感が正直ありましたが(^^)