62年4月、復活祭の少し前のとある日曜、共産党員でマルクス主義者を自認するファブリツィオ(フランチェスコ・バリッリ)は、自らも属するブルジョワ階級の婚約者クレリア(クリスティーナ・パリゼット)との訣別を決意していた。 ファブリツィオは、最後に一目彼女を見ておこうとパルマの教会へと向っていた。
そんな時彼の耳に思いがけない訃報が伝わってくる。 それは13歳の時からの親友アゴスティーノの突然の死だった。 どうやって川に落ちてしまったのか? それとも自殺だったのか? 原因はわからないが、川の下流で彼の自転車が見つかったのだった。 深いショックをうけるファブリツィオだった。
そしてファブリツィオは、ある日ジーナが見知らぬ男とホテル から出て来るのを見て激しい嫉妬にかられたり、二人で出かけたポー河の沼地で再会した無気力な没落貴族プック(チェクローペ・バリッリ)に将来の自分の姿を認めるのだった。
この監督作品も徐々に見て行こうと思っているところですが、前に鑑賞したのは 「孤独な天使たち」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/10967248.html という最新作で青春映画でした。 50周年の自身の作品、9年ぶりという新作で話題になりましたが、これは大変見やすかった、今考えると(^^)
今作はなかなか難しく感じました。 時代背景が戦後の冷戦期。 世界各国にマルクス主義者がいるころで、主人公も自称マルクス主義者の共産党員なんですね。 もちろん昔ながらの貴族階級はとっくに落ちぶれている近代ですが、現実と理想の狭間で揺れる青年を描いています。
しかし、だからといって、共産国家にはなっていないイタリアでは、この狭間で多くの人間が苦悩、宙ぶらりんで暮らしていたんでしょうね。
じゃあ亡命してソ連に行くのか? そうでもない存在が世界各地に多かった?
もうちょっと新しい監督作品を今度は見てみたい。