anttiorbの映画、映像の世界

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静かなる叫び

2009年作品、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、マキシム・ゴーデット、セバスティアンユベルドー、カリーヌ・ヴァナッス出演。

1989年12月6日、モントリオール。 理工科大学に通う男子学生(マキシム・ゴーデット)はある計画をしていた。 銃に弾を詰め、それをケースに隠し、行動を起こそうとしていた。
この大学に通っている、就職活動中の女子学生ヴァレリー(カリーヌ・ヴァナッス)とその友人ステファニー(イブリン・ブロシュ)が、いつも通りの生活を送っていた。 ヴァレリーはある企業のインターンに応募し、一応の内定をもらっていた。
その日、ジャン=フランソワ(セバスティアンユベルドー)は受けそびれた授業のノートをヴァレリーにコピーをさせてもらいに頼みに行く。 彼女は快くノートを貸してくれ、ジャンはコピー機を使いに行く。
しかし彼が使っていると、別の女子大生が、急いでいるようだったので、彼は途中で切り上げ、教室に戻っていくのだった。
しかしそこにいきなりライフルを持った男が入ってきた。 騒然とする教室、その男は男性は退出するように言い、女性とだけが残される。 ジャンはヴァレリーのことが気になるものの、抵抗ができず教室を出ていく。
ジャンは、一旦教室から離れ、廊下を歩いて行くと、そこにはさっきコピーを譲った女性が血を流し倒れていた。 また息があるその女生徒に、彼は止血するための布を探してきて、教室に戻っていく。 しかしそこはもう残された女性たちが撃たれた後だった。
男はフェミニストを嫌っていて、女性をターゲットにするため乱入してきたのだった…

これは実際に起こった銃乱射事件を元にした映画ですね。 カナダで起こったこの事件、「モントリオール理工科大学虐殺事件」といい、マルク・レピーヌという男が一人で起こした14人を殺し、14人に怪我を負わせた、残酷な事件。 犠牲になった人はいずれも女性という事ですね。
彼は冒頭、この虐殺をおこなう理由を独り言のようにつぶやいていますが、実際には犯人は父親から虐待を受けていたとなっています。 屈折した幼少期を過ごし、その父親が徹底した女性蔑視の思想を持っていたらしいですね。
物語は、惨劇の中、ジャンが必死に校内を駆け回る姿と、犯人が必要に女性に狙いをつけ殺していくさま、そして奇跡的に致命的な個所を撃たれず、死んだふりをして助かったヴァレリーの姿を追っているんですが、ジャンはどうしてあの時自分が教室に残らなかったのかと、それが悔いになりトラウマになっていくんですね。 それがあまりにも切なく辛い結果になっていきます。
監督はドゥニ・ヴィルヌーヴ、今年はいよいよ 「ブレードランナー 2049」 が公開されますが、その監督に抜擢されています。 さらに「ボーダーライン」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14047864.html 「複製された男」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13956362.html でも見せてくれていますが、今作もショッキングな実録の原点的な作品でした。
この作品は「未体験ゾーンの映画たち2017」で公開中です。

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男は準備をしていた

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そして乱入

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残された女子大生たち

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ジャンは教室を出される

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学生たちが逃げ出した後

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ヴァレリーは死んだふりをしていた

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