anttiorbの映画、映像の世界

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グランド・ジョー


15歳のゲイリー(タイ・シェリダン)は南部の典型的なホワイトトラッシュ(貧乏白人)だった。 親父・ウェイド (ゲイリー・プールター)は仕事もせずに呑んだくれ、すぐにゲイリーを殴る。 ゲイリーはさすがに頭に来て、仲間に親父を殴らせることもしていたが、大抵は泣き寝入りだった。 母親はそれを見て見ぬ振りをする。 糞みたいな家族ととも糞みたいな毎日を暮らしている。
荒野と山に囲まれた地方の村。 過去に何度も刑務所に入れられたジョー(ニコラス・ケイジ)だが、今は伐採業者として順調な毎日を送っている。 彼は気に毒を塗り込み、駆らせて伐採をする仕事の元締めだった。 ここでの仕事は賃金こそ安いが、仕事量があるので、黒人労働者が集まってくる。
ある日、仕事を探しているという15歳の少年ゲイリーと出会うジョー。 やる気があり、黒人たちの中でもすぐに打ち解け、ジョーはゲイリーが気に入った。 日給制で雇うことにして、良ければ父親も連れてくれば働かせてやるとまで言う。
自分の力で金を稼ぐことができた喜びを感じたゲイリーは、職が無い飲んだくれの父を必死に誘う。 やる気がないウエイドだが、何とか連れてくることに成功したゲイリー。 しかし、ウエイドは全く働かずただうろうろしているだけ、ジョーの下で仕切っていた黒人の男と喧嘩をしてしまい、やむなくジョーは二人とも解雇せざるを得なくなってしまう。
そして帰り道、ゲイリーが父に殴られている姿を見るジョーだったが、彼は止めることができなかった。 そんな自分が嫌になったジョーは酒場で、ちょっとした行き違いになったウイリー(ロニー・ジーン・ブレヴィンズ)を殴ってしまう。 そしてそれを恨んだウィリーは、ジョーへの復讐に燃え、遠くから銃でジョーを狙撃するのだった。
そしてゲイリーのことが気になったジョーは再びゲイリーに声をかけ、面倒を見ようとしていくのだったが、ウエイドは気に入らなかった…

ニコラス・ケイジは、はたから見てしょうもない作品にも多く出演しますので、彼が出ているからって油断はできません(^^) しかしこれはなかなか良い作品でした。
舞台は南部の貧乏な町、刑務所から出て来てようやくおとなしい仕事を始めたジョーですが、味方もいれば敵もいる。 そんなちょっと癖のある男でした。
しかし彼が気に入った若者は、何とかこの底辺層から這い上がろうという素直さとやる気を持っていました。
タイ・シェリダン演じるゲイリーは、親くらいの年齢の自分から見ても、助けてやりたい、働かせて、金を稼がしてやりたいと思う少年です。 さらに言えば、早く彼いまいるの家から抜け出させてあげたい、そう思わせられますね。
とにかくこのウエイドという親父が人間のクズなんです。 ゲイリー・プールターが演じていますが、凄いですね、体中から嫌悪感を発している人間を忠実に演じている? 
この親父が強いんだか弱いんだか、いやゲイリーはほんの少し親父に親愛の表情を見せるんですね。 もしかしたら幼少期は良いおやじだったのかもしれません。
しかし、ジョーとゲイリーの一家とはどんどん泥沼に入っていき、そこにウィリーも加わり悪化していきます。 
ジョーには、親身になってくれる警官もいて、もう悪事はしないと誓っているんですが、それをジョーがゲイリーを助けることを躊躇させるんですね。 助ける、それはゲイリーの身内を、親父を殺すことになるのがわかっているからなんですね。
悲しいラストですが、ゲイリーはジョーの心をしっかりと心に刻み、おそらく人生を切り開いていくだろうエンディングでした。
これはいい作品です。

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ホワイトトラッシュのゲイリー

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ジョーはゲイリーと出会う

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しかしゲイリーには屑の父親がいた

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ジョーは前科者、警察の中には彼をマークする者もいた

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いったんは解雇するがふたたびゲイリーの世話を焼くジョーだったが

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