anttiorbの映画、映像の世界

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ハイ・ライズ


1975年、イギリス。 ロンドンから北2マイルに富裕層向けのタワーマンションが建設される。 そこはラグジュアリーな内装や抜群の眺望を有するだけでなく、敷地内にスーパーマーケット、プール、銀行、医療施設、小学校、レストランなどありとあらゆる設備が整っており、人々の生活の夢を具現化したような住居空間だった。
医師のラング(トム・ヒドルストン)は、マンションのコンセプトを考案した建築家ロイヤル(ジェレミー・アイアンズ)に誘われ、このマンションに入居する。 独身の彼は殺風景な部屋に段ボールを積み上げ、開封もしないでそのままにしている。
ベランダで全裸になって日光浴をしていると、上の階から酒の瓶が落ちてくる。 危うく当たるところだったが、上の階に住んでいる女性・シャーロット(シエナ・ミラー)からパーティーがあるかので来ないかと誘われる。 とりあえず新参者の彼はその誘いに乗り出かけることにするのだった。
彼は生理学部の医師・教授で、その日は実際の人間の頭部を解剖、そして頭蓋骨を砕く実演を、若い生徒たちに見せていた。 臆することなく淡々と行う彼だったが、若いマンロー(オーガスタス・プリュー)という学生は気絶をしてしまう。
その日彼はパーティーに参加してみたが、そこでリチャード・ワイルダー (ルーク・エヴァンス)と、身重の妻・ ヘレン・ワイルダー(エリザベス・モス)と知り合うのだった。彼らは下層に住んでいて、上層階の、特に建築家にはあったこともなく、不満を抱いていた。
リチャードはTVプロデューサーだが、なかなかヒット作を生み出せない存在でもあった。 そして上層の住人と、下層の住人の亀裂は、だんだん大きくなっていくのだった…

監督はベン・ウィートリー、オムニバス作品の 「ABC・オブ・デス」 の中の1本を撮っていますが、しっかりした作品を見るのは初めての監督。 なんといってもこの作品は、トム・ヒドルストンが主役となっているのが大きいですね。
彼は私は次の 「007」 のジェームズ・ボンドの最有力候補だと思っています。 もちろん代表作は、「マイティー・ソー」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/6619019.html 「アベンジャーズ」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/6646762.html そして今年日本公開となった 「クリムゾン・ピーク」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13808798.html ですね。
そして、ジェレミー・アイアンズルーク・エヴァンスシエナ・ミラーらが出演、けっこうキャストは豪華でした。
J・G・バラードのSF小説が原作となっており、近未来かと思ったら、これは 「テクノロジー三部作」 として書かれた1編で、以前デヴィッド・クローネンバーグが監督として撮った 「ラッシュ」 もその1編だという事です。 できればそっちを見て予習をしていくともっと浸れたかもしれませんね。
上層階の住人は、確かに別世界を気付いているんですね。 中世を着飾った仮装パーティーをしたり、極端に下層階の住人を蔑視していますし、下層階はまた別の社会を形成しています。
しかし、あることが発端になりこのタワーマンションが、秩序が壊れ混沌として行くんですね。 しかしその中で、入居間もないという事もあるんでしょうが、主人公のラングだけは、冷静さを保っていますし、もう一人建築家のロイヤルも、マイペースを保っています。
この作品、途中からただただ “混沌”=カオスなんですね。 そして新しい秩序ができていくのかという感じになっていくんですが。
トム・ヒドルストンは今年もう1本主演作品が公開されるようです。 伝記映画のようですが、それも彼の魅力あふれる作品になるんでしょう。

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引っ越してきたラング

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全裸で日光浴

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上の階にいた二人

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上層階にいる建築家

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上層階の冗談のようなパーティー

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