2016年作品、デレク・シアンフランス監督、マイケル・ファスベンダー主演。
1918年、トム・シェアボーン(マイケル・ファスベンダー)は戦争の英雄として帰国したが、心に深い傷を負い、オーストラリア西部バルタジョウズ岬から160キロ離れた絶海に浮かぶ孤島ヤヌス島の灯台守の仕事に就く。
前の灯台守が病気療養となったので臨時採用という事だった。 しかし3ヶ月後、バルタジョウズの町に呼び出されたトムは正式採用となる。 復帰予定の灯台守が、自殺をしたからだった。 しかし、トムは特にうれしい表情を見せずに、契約を結ぶ。そして彼はカモメに餌をあげている美しい娘・イザベル(アリシア・ヴィキャンデル)を見かけるのだった。
明るいイザベルは、着任前の1日に、トムをピクニックに誘う。 笑わないトムだったが、明るい彼女に押し切られるように連れて行かれる。 そこでトムの話、そしてイザベルと話をお互いに交し合う。 トムはもう身寄りが無く、イザベルは二人の兄を戦争で失くしていたのだった。
別れ際、彼女は手紙を書いても良いか？ と聞き、トムは了承する。
島に戻ったトムは、一人でいろんな仕事をしていた。 一人になれるこの仕事は彼にとって適していると思っていたが、イザベルとの出会いが人生に光を取り戻させてくれたことに気付き始める。
言葉にはなかなか出てこないことを、彼女に対する感謝の手紙にしたためる。 二人は想いを綴った手紙をやり取りするうち、心を通い合わせ、やがてトムはイザベル にプロポーズ。 二人は結ばれ、孤島での結婚生活を始めるのだった。
一旦町に戻り結婚式を挙げるふたり、ビルは最後の子供のイザベルを彼に託すと参加者の前でしっかりと宣言をする。 人生に日が差した瞬間をトムは味わうのだった。
二人にとって何者にも邪魔されない孤島での暮らしは楽園だった。 そして二人は家族を築こうとするが、嵐のよる彼女は流産してしまう。 医者を拒んでふさぎ込むイザベルに、トムは壊れたピアノを直してあげるため調律師を呼ぶ。 そのことに感激した、イザベルはもう一度子作りに取り組むのだった。
しかし、またも流産してしまうイザベル、再び落ち込む二人だったが、その時、島に1隻のボートが流れ着く。
中には既に事切れた男と女の子の赤ん坊が乗っていた。 赤ん坊は元気だった。 すぐに家の中で暖かくしてあげるイザベル。 トムはすぐに報告をしようとするが、一晩だけ猶予をというイザベル。 しかし、一晩赤ん坊と過ごしたイザベルは、もはやその子を手放すなど考えられなくなっていた。
自分たちの子供として育てようという彼女の強い懇願に負けたトムは、男の遺体を埋める。 そして2年が経つのだった…
デレク・シアンフランス監督作品、前作の 「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/10674505.html は良かったなあ。 こういうライアン・ゴズリングが一番いいと思いました。
今作の主演はマイケル・ファスベンダー、もう彼の主演作、出演作はあまたありますが、近作は 「アサシン クリード 」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14786462.html ですが、私はスティーヴ・マックイーン監督作品 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11797152.html https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11632743.html での彼が一番好きですね。
妻役ではアリシア・ヴィキャンデル、彼女もひっぱりだこですが 「リリーのすべて」 https://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13993686.html が好きでした。 そしてもう一人、久しぶりにレイチェル・ワイズをしっかり見ましたね。 彼女の役どころが重要でした。
物語はこの後、幸せから急展開していきます。 やはり他人の子供を隠して育てるのは、トムには耐えられなかった。 そして彼は真実を、子供の出自を知ってしまい、大きな声では言えない代わりに、少しずついろんなささやきを見せて行きます。
でも、後にルーシーと二人が名づける赤ん坊に対しては、疾しいところは無く、しっかりと愛情持って育てているんですよね。 だからこそ悲しいんですが。
立て続けに流産をしてしまったイザベルが、島に流れ着いた赤ん坊を手放せないことは誰し もが同情するところ、辛い経験をしてきたトムと、兄を失くしてはいますが、明るくスクスクと愛情を受けて育ったイザベル、その二人の境遇の違いもこの後の展開にかかわってくるのは必然だったかもしれません。
１００％の臨んだ幸せに離れなかったかもしれませんが、優しさがいろんな登場人物にあったことから、幸せのカケラをみんながもらったお話だと思いました。
手紙のやり取りから愛をはぐくむ二人
