anttiorbの映画、映像の世界

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帰ってきたヒトラー

2015年作品、デヴィット・ヴェント監督、オリヴァー・マスッチ主演。

ヒトラーの姿をした男(オリヴァー・マスッチ)が突如街に現れる。 いったいここはどこなのか? 男はなぜここにいるのか理解ができなかった。 ちょうどそこではテレビの撮影をしていて、子供たちを撮っているスタッフがいた。
ファビアン・ザヴァツキ(ファビアン・ブッシュ)はフリー契約をフラッシュライト社としていた。 社は、前社長が勇退することになり、新社長が指名されるところだった。
クリストフ・ゼンゼンブリンク (クリストフ・マリア・ヘルブスト)は自分が指名されるとばかり思っていたが、指名を受けたのはもう一人の副社長のカッチャ・ベリーニ (カッチャ・リーマン)だった。 ゼンゼンブリンクは、引き続き副社長として頑張れとあっさり言われてしまう。
腹いせに彼はザヴァツキをリストラしてしまう。 確かにインパクトのある企画が出せないサヴァツキだったが、何とか復帰しようと、さっき撮った映像をチェックすることにした。
一方突如現れたヒトラーと瓜二つの男、実は彼は現代にタイムスリップした本人だった。 しかし状況が理解できない彼は、キオスクで新聞を立ち読みして、ここが2014年だということを知り気絶してしまった。
キオスクの主人に介抱され目を覚ますヒトラー。 キオスクの主人はヒトラーを見て「ヒトラーそっくりの役者かコメディアン」だと思い、ここに泊まるのはいいが、壊さないでほしいといわれたので、ヒトラーはそこにある新聞を読みまくり、今までの出来事、そして現代のドイツがどうなっているかという知識をものすごい勢いで吸収するのだった。
一方、ザヴァツキは、自分の撮った映像にヒトラーそっくりの男がいることを母から指摘される。 そして彼を使って映像を撮り、フラッシュライト者に復帰しようと考え、早速ヒトラーを探し始め、キオスクの主人にたどり着くのだった・・・

この作品は、まったく知らなかったんですが、「神様メール」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14226084.html を見たときの予告編を見てこれはと思い、息子に話すと、さすがにこの手の作品はチェック済みで、すでに鑑賞していました。 もちろん高評価でしたが、内容は以外に今のご時勢に合っていると言っていました。
監督はデヴィット・ヴェント、世界的に打って出る作品は初めて見たいですね。 もちろんドイツ人監督です。 主演のヒトラー役はオリヴァー・マスッチ、ドイツの舞台俳優で、母国のテレビドラマに出演多数のようです。
この作品、中盤ザヴァツキがヒトラーを連れて、ドイツ各所に行くんですね。 実はここはドキュメンタリー手法で撮っています。 顔にぼかしを入れたり、リアルな人たちの反応をそのまま撮っている。 オリヴァーもヒトラーになりきって演じていますが、このやり取りが実にリアルですし、あまりのそっくり度合いに人々も驚嘆しているのがわかります。
しかしここでドイツの人たちが語っているところ、まあそういう人の話をチョイスしているにしても、この部分のリアルさが後半に生きてくるんですね。 このあとヒトラーの映像を売り込みに、ザヴァツキが社に乗り込んで行くんですが、ヒトラー本人が女新社長に談判、即効でテレビの枠を獲得するんですね。
どうして今の時代にタイムリーなのか? うちの息子は、イギリスのEU離脱国民投票の結果と重ねて語っていましたが、もしかしたら、ナショナリズムの大きな波が来る予兆の作品かもしれないと、ちょっと薄ら寒い作品かもしれません。

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ここはどこだ!

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キオスクで、今がどこか、ドイツの現状を知る

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ドイツ各所を回り今の国情を理解しテレビ局に

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一気に視聴者をつかむ彼

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さらに著書も大ヒット

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