anttiorbの映画、映像の世界

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マジカル・ガール

2014年作品、カルロス・ベルムト監督、ホセ・サクリスタン、バルバラ・レニー、ルイス・ベルメホ出演。

先生の授業はまったく面白くない。 そう言われた数学教師は、ひとりの少女にちょっとだけからかわれたのだった。
時は流れ、12歳の少女アリシア(ルシア・ポジャン)は、大好きな日本のアニメ 『魔法少女ユキコ』 のコスチュームを着て踊ることが夢だった。 彼女はテーマ曲の長山洋子のデビュー曲 「春はSA-RA SA-RA」 聞きながら鏡の前で踊っている。
文学の教師だった父ルイス(ルイス・ベルメホ)は失業中だった。 なかなかあいている教職の口が無く、憂さを晴らしに飲みに行っても、大胆に飲むこともはばかれる。しかし家に帰ってくると、娘が倒れていた。
病院に連れて行き、医師はアリシアには貧血というのだったが、別室で父には白血病だと告知する。 絶望感に浸るルイスだったが、せめて彼女の願いを叶えてやろうと 『魔法少女ユキコ』 のコスチュームを手に入れようとする。
ところが調べてみると、それは7千ユーロもする高額商品だった。 金策に奔走したものの、失業中の身ではいかんともしがたく、やむなく高級宝飾店への強盗を決意。大きな石で店の窓を叩き割ろうとした、まさに その瞬間。 空からおう吐物が肩に降ってきた。
精神科医の夫 : アルフレードイスラエル・エレハルデ)と暮らしながらも心に闇を抱えた女性バルバラバルバラ・レニー)は、絶えず孤独を感じていた。 厳格な夫は精神安定剤を飲むよう彼女に強いるのだった。 しかし彼女は薬よりも、夫の優しさを求めていたのだった。
その日、彼女はとうとう夫といさかいを起こしてしまい、彼女が寝ている時、夫の服が無くなっていた。 とうとう出て行ってしまった、自分は捨てられたと思ったバルバラは、大量の薬を酒で流し込んだ結果、気分が悪くなって窓から嘔吐してしまう。
そしてその時、下にいたのがルイスだったのだ。
逃げようとするルイスを呼び止め、自宅に招き入れるバルバラ。 汚れた服を洗濯すると、バルバラはルイスに抱いてくれるよう求め、2人は関係を持ってしまう。
翌日、ルイスはそのことをネタに、7千ユーロを要求してバルバラを脅迫。 やむなくバルバラは、裏の仕事をしているかつての仲間、アダ(エリザベト・ヘラベルト)の元を訪れると、豪邸で暮らす車椅子の男の暴行に耐え、7千ユーロを手に入れる。 
その金を受け取り、アリシアにコスチュームを買ってやるルイス。 ところが、魔法のステッキが足りないことに気付き、再びバルバラを脅迫。 やむなく、豪邸を再訪するバルバ ラだった・・・

いきなりかかる日本のアイドル曲、監督が日本のアニメ、漫画、映画をこよなく愛したところから自らの脚本になっているようですね。 主演はルイスなのか、バルバラなのか。
一言で言うとブラックユーモアの範疇に入る作品なのかもしれませんが、なんとも、グロイ話の展開になっていくんですね。 それは物語の中盤過ぎから出てくる、服役囚で、やっと釈放された元数学教師野ダミアンが登場してきてからですね。
何とも気の弱そうな初老の男に見えるんですが、彼は異常なほど、昔バルバラに執着していたことがうかがえます。 しかし彼はそれで身を滅ぼしたんでしょうね。 ですから彼はバルバラと関わり合いになることを必死に避けていたんですが。
最悪の結末にどん どん嵌っていく展開には途中までは見えませんが、物語は救いのない終着に向かいます。
でも、どこかで誰かが、素直になっていたら? そう考えてしまう、重い作品で、後味が悪い作品でした。

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何か彼女にしてあげたいルイス

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強盗を考えるルイス

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しかしそのとき上から、吐しゃ物が

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脅迫されたバルバラ

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