anttiorbの映画、映像の世界

不定期で、旅ブログも立ち上げます!

スープ ~生まれ変わりの物語~

2012年作品、大塚祐吉監督、生瀬勝久小西真奈美刈谷友衣子出演。

うだつのあがらない中年男性の渋谷健一(生瀬勝久)は、何をやるにも生気が感じられない。 妻とは5年前に離婚し、それがきっかけで娘の美加(刈谷友衣子)とはギクシャクする日々を送っていた。
ちょうど誕生日を迎えた美加に、外で食事でもと誘う健一だが、あっさり拒否されてしまう。 美加は父が母と何故離婚をしたのかを知らされてはいないし、父の至らなさ、頼りなさがその原因だと思い、軽蔑しているのだった。
勤務先では、大きく歳の離れた上司の綾瀬由美(小西真奈美)が、幅を利かしている。 そして綾瀬は、覇気のない渋谷に関して、我慢ができないほどイラついているのだったが、娘とのやり取りは気になっていて、娘に対しては同情的で、あんたがしっかりしないからと言い切ってしまうのだった。
そしてその日、ある店から連絡が健一のところに入った。 それは娘の美加が、親友(田﨑アヤカ)と一緒に万引きをした知らせだった。
すぐに店に行き、平謝りをする健一、遅れて来た友達の母親からは、男親が謝ってくれたので、警察や学校には知らせないようになったとお礼を言われる。
別れ際、その友達が健一に、「美加は悪くない。私が誘ったのだ。 だから美加を叱らないでほしい」と耳打ちされる。
しかし不審に思った美加は父に対して何を言われたのか詰め寄るのだが、健一はそれをごまかしてしまう。 言い合いになった二人、そこで健一は美加の頬を殴ってしまうのだった。
翌日、この日から出張の予定の健一、綾瀬と一緒だったが、その途中二人は落雷に遭ってしまうのだった。
二人が気がついた所は人気のいない町だった。 その町をさ迷い歩く二人、そして大きな体育館のような建物に入ると、そこには数人の人が集まっていてその中の一人(池田鉄洋)が、取り乱して、「責任者を出せ」とわめいていた。
そこに現れた一人の女性(谷村美月)がある男のところへみんなを連れていく。 そこにいた男性(堀部圭亮)が、みんなの前で怖れていたことを言い渡すのだった。「あなたたちは亡くなられました。 そしてここは死語の世界です」
娘が一人残されてしまったことに、後ろ髪を強烈に引かれる健一。 そして二人は死語の世界に足をどんどん踏み入れていくのだが…

私の好きそうなファンタジー作品、まったく知らない作品でした。 題名の「スープ」というのは、この二人が死んだ後の世界にあるある“スープ”がこの後出てくるんですね。
死んだ後どうなってしまうのか? 生きている人間が決してわからない、気になる世界ですが、生まれ変わりってよく聞きますよね? そして大概、過去の記憶は持っていないと言われています。
たまに前世の記憶を持って生まれてくる人間が話題になったりしますが、果たして本当でしょうか?
今作は、突然死んだ父親が、どうしても話しておきたかった娘と、もう一度話したいというちょっと悲しいお話でした。 しかしその手段は、幽霊になって伝えに行くんではなく、生まれ変わった後に伝えるという、ちょっと変わったやり方をするんですね。
ですからある意味ダブルキャストになっています。
監督は大塚祐吉、初めて作品を見ました。 そして生瀬勝久がシリアスな演技をしています。 千葉アリス、大後寿々花橋本愛刈谷友衣子といった演技派の若手女優が多く出ていますし、着地点も良いですね。
ただ、生まれ変わりってすぐできるんでしょうかね? この世に執着があっても、もう一回生まれ出たいと思うんでしょうかね? 強制なのかが気になっちゃうお話でした。

イメージ 1
死後の世界であった取引先の人

イメージ 2
残ししてきてしまった娘

イメージ 3
そしてある物を見つけに走る健一

イメージ 4
そして

イメージ 6
生まれ変わりある女性に

イメージ 5
健一の再生、新しい人生

イメージ 7