anttiorbの映画、映像の世界

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ここにある幸せ

2015年作品、廣瀬正雄演出、松田翔太宮本信子出演。

「自分の人生には…、何も無い…。」 東京に暮らす主人公・立川浩幸(松田翔太)はつぶやいた。
彼は過酷なノルマと人間関係に疲れ、体を壊してしまう。 そしてとうとう仕事を辞めてしまい、その上、同棲中の恋人・高梨千恵子(中村映里子)から、なにかやりたいことは無いの? と聞かれる。 返事のできない浩幸は、どこか行きたいところはないのかと聞かれ、ふと思いだした所があるのだが、彼女からは愛想をつかされ、追い出されてしまった。
そんな折、浩幸は、小学生時代の級友のことを思い出していたのだった。 それは小学校の4年生の時、ほんのわずかな間に東京にいた旧友の事だった。 すぐに戻っていってしまったが、夏休みに遊びに行くと言ったきり面倒になりそれっきりだったのだ。 何か心に引っかかっていて、一度訪ねてみようと、福岡の小さな港町・福津市津屋崎を訪れた。
そこは知らない人にも気軽に子供が挨拶をしてくれるあたたかい所だった。 そして、むかし貰ったハガキ通りに行くと、その家の前を掃除しているおばさんに会うのだった。 こちらからもじもじしていると、中に入りなさいと言われ、彼女は、花田福子(宮本信子)という。
この人が旧友のおかあさんだと思うのだが、なかなか言い出せなかった浩幸だが、福子に気に入られまず連れて行きたいところがあると一緒に行かされたのは、港が一望で見える絶景な場所だった。
そこは彼女はお嫁に来たときに旦那さんに初めて連れて行かれた場所、彼女はそこでなぜか涙が止まらなかったというのだった。
その夜、泊めてもらうことになり、一緒に晩御飯を食べる時、福子は浩幸に、良く訪ねてくれたと彼のことが解っていることを告げる。 それだけ息子が浩幸のことを話していたのだった。
しかし彼女の息子は…

「福岡発地域ドラマ」とされるこのドラマはシリーズ化となっており、2015年の作品で13作となっているんですね。 九州の福岡NHKが製作しているということですが、良質なドラマ作りをしています。
九州ゆかりの俳優起用が主ですが、最近はあまりこだわらないキャストになっているようです。
しかし今回は逆にそれがテーマになっているんですね。
物語は東京の家電量販店に勤めている立川浩幸が、過労で倒れ、覇気のない彼は上司からある意味ダメ出しをされ辞めてしまうところから始まります
自分の存在価値、居場所、疑問をいっぱい持っているんですが、それに踏ん切りをつけれない、結論を出せない、大分優柔不断の人間です。 さすがに同棲相手の千恵子が爆発して半ば追い出してしまうんですね。
しかしそこで思い立ったのが20年前の約束でした。 こういう転校した友達に、会いに行くということはついつい怠りますね。 私は大阪に引っ越した友人に、夏休みに会いに行き、それから生涯の友となりました。 事故で亡くなりましたが、いまだに奥さんとは連絡を取り合っています。
しかし彼が訪ねたときには…
人間、自分がここが故郷と決めたらそうなる、まさに“ここにある幸せ”というタイトルに相応しい作品でした。 港町・津屋崎もいい所みたいですね。 過去作も見たくなる心休まる物語でした。

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過労で倒れ病院のベッドで

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仕事も辞めぼんやりと

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彼女にも愛想を尽かされ行った先は津屋埼、そこで彼女と出会う

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着いてきんしゃい

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彼女の思い出の場所に連れて行ってもらった

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