anttiorbの映画、映像の世界

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大統領の料理人

2013年作品、クリスチャン・ヴァンサン監督、カトリーヌ・フロ主演。

取材に訪れたフランス領・クコローゼー諸島の南極基地で、オーストラリアのTVクルーのメアリー(アーリー・ジョヴァー)とジョン(ジョー・シェリダン )が遭遇したのは一人の女性シェフだった。
彼女は何者で、どこから来たのか。 興味を持った取材班たちの前で、少しずつ彼女の素性が明らかになっていく。 彼女はここで、“女大統領”と呼ばれていて、この前まで大統領の女料理人だったということだった。
4年前、彼女は自然豊かな田園風景が広がるフランスの片田舎で、小さなレストランを営むごく普通の女性、オルタンス・ラボリ(カトリーヌ・フロ)だった。 
ある日、フランス政府公用車が迎えに来た。 文化庁に行くということを聞いていたが、オルタンスが連れていかれたのはパリ中心部にあるエリゼ宮殿だった。 執事のダヴィッド・アズレ(イポリット・ジラルド)が最寄の駅まで迎えに来てくれ、彼女はミッテラン大統領(ジャン・ドルメッソン)からの直々の指名で、彼のプライベートシェフに抜擢されたことを伝える。
官房主任にお願いされ、渋々引き受ける彼女、ところが、官邸は独特の儀礼や規律の世界。厨房も料理を美味しくつくることは二の次で、数々の細かい約束事で縛られていた。 さらには代々、男たちだけで営まれてきたシェフたちのヒエラルキーの中、オルタンスは完全に“招かれざる客”なのであった。
彼女の厨房は専用の場所で、助手にはニコラ・ボヴォワ(アルチュール・デュポン)が着くが、暇なときにタバコを吸っているちょっと恍けた男だった。
彼女は大統領には会えないと言われていたが、大統領も会わせてもらえないということだった。
そして彼女の官邸生活が始まるのだったが…

あくまでもその多くの食事は、厨房の多くのコックたちが作るんですが、彼女の役目は、大統領の食事を専用に作るんですね。 そのため彼女は、まず大統領に直接会って、好みとか希望を聞こうとします。 調理人として当たり前のことですが、ここではそんなことは全く無関心なんですね。
もちろんここにいる調理人たちは腕がいいからいるんでしょう。
でも自己満足の料理は作れても、大統領が真に望んでいる料理を作ることは、おそらく一生かかっても作ることは無理な輩に見えました。
ただ、その料理にかかるコスト、健康状態に沿ったメニュー、もちろん考えることは多いのですが。
この作品では、そんな大統領の料理を作るシーンと、南極での彼女の料理人としての姿が、交互に映像が差し込まれます。 両方見て彼女の人となり、料理人としての生き方がわかるんですね。
お話としては、官邸内の彼女はいつも苦悩して、なにかと戦っていました。でもその理解者は、ニコラであり、大統領なんですね。 特に大統領は一発で彼女の料理を気に入ります。
そして彼女はそんな大統領に、逆に合格点を出すんですね、ここがなんともウィットに富んでいました(^^)
でも、南極で働いている姿の方が彼女らしく、生き生きとしていて、ここではみんなに愛されているんですね。 そしていつしかオーストラリアのクルーたちも、そんな彼女に、そして彼女の料理に引き込まれていきます。
カトリーヌ・フロの演技も良かったですね。 あまり見る機会のない女優さんですが、プロの威厳に満ちた演技が秀逸でした。
もちろん料理の美味しそうな映像も堪能できました。

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大統領の食事専門のシェフとなったオルタンス

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男世界のところに張った彼女

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やっと大統領に会えた彼女

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厳選する食材

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軌道に乗ってきたが

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